20.殴りかかる ページ22
勢いよくドアを開ける。
すると、私も着たことがある軍服を身にまとった青年が振り返った。
「＿やぁ。久しぶりだね。我が妹、A。」
『……お兄ちゃん。』
私と同じ栗色の髪に、青色の瞳。
我々国と敵の、私が軍人をしていた国の総統であり、私の兄。
「まさか、自分の妹が敵国のメイドになってるなんて思いもしなかったよ。いやぁ、本当にビックリだ。」
そう言って笑みを浮かべるお兄ちゃん。
その笑みが、私には気持ち悪く感じた。
『どうして、分かっていて私達を雇ったの。どうして、私を呼んだの。どうして、ショッピ様を処分しろと命令したの。』
「あはは、質問が多いね。どれから答えようか。
うーん、そうだな。A達を雇ったのは、気分。Aを呼んだのは話があるから。Aだってそうだろ？話があるからここに来た。君の所の幹部を処分しろと命令したのは、敵だし侵入者だから。それは当たり前だろ？…これでいいかな？」
お兄ちゃんはずっとニコニコと笑っている。
本当に気持ち悪い…
『話って何。』
私は執事長が持っていた銃を向ける。
それを見て、お兄ちゃんは一瞬驚いて目を見開くも、嬉しそうに目を細めた。
「あはは、随分と反抗的になったね。反抗期かな？」
『ねぇ、人の話聞いてる？話さないなら、発砲するよ？』
「ふーん、出来るならやってみなよ。」
そう言われたから、私は容赦なくお兄ちゃんに向かって発砲。乾いた発砲音が、私の耳に響く。
弾はお兄ちゃんのギリギリをかすめて、壁に穴を開けた。
「ははっ、本気なんだね、分かったよ。
…そうだな、こう言えば1番分かりやすい。
＿＿この戦争を終わりにしよう。」
………は？
どうして、お兄ちゃんがそんなこと言えるの？
私が呆然と立ち尽くしているのをお構い無しに、お兄ちゃんは話を続けた。
「この戦争、続けていても意味は無いし、それ以前にもう“飽きた”んだ。きっとグルッペンもそう思ったから、ここに来させたんだろう？」
『そう、だけど…！』
昔からお兄ちゃんは、戦争に勝つまで辞めない人だった。
中途半端な結果じゃ満足しないからって。
「だったら良いじゃないか。ほら、Aだって疲れてるだろう？何時間もかけて、足の痛みを我慢しながら最上階まで登ってきて。」
『だけど…だけど…！』
私が手にしたのは、反撃の刃。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rainﾚｲﾝ - URLですね((殴完結おめでとうございます (2020年6月6日 19時) (
レス) id: cc7660b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん - 完結おめでとうございます。今回のお話は、ハッピーエンドで終わったのでよっかたです。この話すごい好きです！これからも頑張ってください！ (2019年11月11日 19時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します！完結おめでとうございます！すごく面白かったです！この話大好きでした！これからも作品投稿頑張ってください！ (2019年7月8日 21時) (レス) id: 1ce979329a (このIDを非表示/違反報告)
綺華@Project KZ(プロフ) - 草餅さん» いえいえ！どういたしまして！ (2019年7月2日 6時) (レス) id: 318553ad5e (このIDを非表示/違反報告)
草餅 - 綺華@Project KZさん、ありがとうございます！実戦します！！ (2019年7月2日 6時) (レス) id: 14ae4b0fa4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：草餅 | 作成日時：2019年6月15日 10時
