【 d! 】猫と女子高生【 shp 】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:9,080 hit

猫と飲み会ページ3

「───で、ほんまにさぁ…。」
「ふーん…、」

完璧に出来上がったコネシマに絡まれながら唐揚げを頬張る。ここの唐揚げは塩より甘酢の方が美味しい。と私は勝手に思っている。
にしてもどうにかならないのかこの酔っ払いは。私はショッピくんに会いに来たんだというのに。
鬱くんとお酒を飲みつつ、楽しそうに談笑する彼へ目を向ける。あんな楽しそうな顔、私には絶対にしてくれないもんなぁ。
唐揚げを挟んだ箸を右手に、ぼーっとしていると、話を聞いてもらえてないと気付いた酔っ払い───コネシマは暑苦しいほどひっついてきた。ちょ、酒くさ。

「おい聞けやA～」
「もー、うるさいなぁ～…。」

コネシマをひっぺがしながら唐揚げをまた一つ口へ入れた。仕事の愚痴に興味を持つ女子高生がいるわけないだろう、とため息をついた。
ふと視線を感じたのでそちらを向くと、ショッピくんと目があった。すぐ逸らされたけど。何故こちらを見ていたのかなんて分からないけど、とりあえず私の事見てくれてたっぽいしラッキー、なのか？
気付けば皿の中は空になっていた。食べ過ぎたか。

───

もうお開きで、ということで私とエミさんはみんなと別れて駐車場へ向かっていた。今日もあんま話せなかったなぁ、と落ち込み気味に歩いていたら、エミさんは気をつかったように、
「どこか、寄って帰ります？」
とか、どこまで優しいんだこのひと。
こんなことで泣いてしまわない様に、後ろを向いたら頭を撫でられた。子供扱いされてるなぁ。

「来週は、やめておきます？」
「…やだ」
「そうですか。」

顔は見えなかったけど、きっと優しくエミさんは笑ってくれた。大丈夫、なんともない。こんなことで諦めるような私じゃ、ありませんから。

．