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大学1年生・冬 ページ32

「宇津橋くんのことが好きです」

そう言ってきたのは、顔立ちは整っているが、正直好みとはいえない女。

でも、あいつと全く似ていないから、という理由だけでオーケーした。クリスマス前やし。クリスマスに一人なのも何やろ。

あいつは誰とクリスマスを過ごすんやろな。

僕には関係ない話やけど。気になる自分が嫌になる。忘れろって。

大学に行かなきゃいい。そうすれば会うこともない。授業は最低限出て、早くから家にこもればいい。

それをせずフリースペースに居ると、たいていあいつが寄ってくる。……拒絶せなあかん。

ホンマに、俺は何がしたいんやろな。自分でもわからへんわ。

あいつが絡んできて、僕が冷たくあしらう。そんなちょっとした友人、みたいな関係で居られたら、それが一番だ。

それでいつか、お前が他の誰かと幸せになるのを、僕はちゃんと受け入れられるようにしとくから。

それまで、隣よりはすこし離れた距離から見守るくらい許されるんやないの。

……関わらない、とかいう最初の決意どこ行ってん。


「こんなのどうかな」

雑誌を見ながらデートスポットの提案をしてくる彼女に、微笑んで「ええやん」と言った。

この女のことも、どうせ好きになれない。
それでもどうにか、あいつのことを忘れようと必死で。

ふと視線をあげる。なんでお前が居んの。
見られたくなかった、と思った。
おかしいやろ。しかも、今更やろ。むしろ興味なんてないふりをしないといけない。

お前のことなんて、嫌いやで。

彼女に向き直る。前世でどんな悪いことしたら、こんな仕打ちを受けるんやろな。

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千白は山に住む(プロフ) - 凡人さん» ありがとうございます!私もお気に入りで、昔かいたものなのについ番外編を書いてしまいます!そう言っていだだけるのならここに更新しに来てよかったー!と思えます!ありがとうございました! (2020年6月20日 9時) (レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - bhさん» 長らくお返事できていなくてすみません!ありがとうございますー! (2020年6月20日 9時) (レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
凡人(プロフ) - 更新されていてびっくりしました。私が本当に大好きなお話です...ありがとうございます! (2020年6月5日 18時) (レス) id: 0a526fe040 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです、これからも応援しております。 (2020年3月15日 0時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - 水澪恋さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!あげて落とす仕様でしたが楽しんでいただけていたら本望です!ありがとうございます、今後もがんばります(*^^*) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千白は山に住む | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月6日 18時

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