Sugar Love111 ページ13
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廉「なんでそんなAちゃんのこと
敵対視してるん?」
あ「…多分、茄橋さんは、
私が紫耀と仲良くしてることが
気に食わないんだと思う。」
それに、それだけじゃない。
前のネックレス事件の時も
協力することを拒否しちゃったから…。
廉「女の妬み嫉みて怖いなぁー。
よう分からんわ。」
あ「…ね。」
廉の言葉に頷いて
苦虫を噛み潰したような笑みを浮かべた。
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廉「Aちゃん。
我慢せんでええねんで?」
あ「…え?」
なに言って…。
突然、頭に重みがかかって
廉の手が置かれる。
廉「俺が気付いてへんとでも思った?
怖かったな。…手、震えとる。」
そう言って微かに震えていた私の手を
握ってきた。
バレないように隠してたつもりだったのに
廉に気付かれてたなんて…。
意外と見てるんだなって思った。
綺麗な指先をしてる割には手の平は大きくて
とても温かみがある。
私の手を包み込むように優しくそっと握る手。
段々堪えてたはずの涙が瞼に溜まってきて
視界がボヤけ始めた。
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あ「ふぅ…っ」
そのまま、一粒の涙が頬を伝う。
声を押し殺しながら泣く私を、
握る手は変わらず、もう片方の空いてる手に
引き寄せられて廉の胸にすっぽり閉じ込められる。
鼻水の啜る音と、しゃくり上げる声だけが
静かな教室に響いた。
どうしてこうも自分はダメなんだろう。
せっかく楽しくいこうと思ってた文化祭も
私のせいで空気が悪くなっちゃったし
いつも上手くいかない。
あの時、茄橋さんの頼みを聞いて
協力してあげれば良かったのかな。
そしたらこんなことには…
全部自分が悪い。
廉は、一言も発することなく
私が泣き終わるまでずっと頭を撫でてくれていた。
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作者名:rion | 作成日時:2018年11月27日 16時