ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第76話　☆　君は、過去を知ったら…　【現在】 ページ30

そういって二人は笑う。

蒼井「ほら、みんなにも挨拶は？」

「「うん！おかえりなさい！！」」

涙と藍は、達兄と智兄と祥兄にむかって挨拶をした。

「「「ただいま。」」」

蒼井「いい子だね。」

ぼくは二人の頭をそっと撫でそのままリビングに行った。

貴「あ！みんなおかえり〜！」

「「「「ただいま〜！」」」

貴「翔太、明日なんだけど…。」

蒼井「？うん。」

貴「その〜、」

蒼井「どうしたの？」

Aが口ごもっていると、横から賢章君が出てきた。

賢章「俺も行ってもいい？」

蒼井「え！？なんで？」

賢章「…最近のしょーたん、様子がおかしいから…。」

蒼井「そ、そんなことないよ？」

賢章「はぁ、ほんと翔太はさ、嘘つくの、ヘタだよね…。」

蒼井「う…。で、でもっ！佳美ちゃんや郁君がっ…！」

佳美「それなら問題なしです！一緒に行くから！」

蒼井「は、はぁ…。」

賢章「どうせ翔太も藍くんと涙くんと咲結ちゃん連れて行くんでしょ？」

蒼井「う、うん…。」

賢章「なら問題ないよ。」

蒼井「…わかった。」

なんでこううまくいかないんだろう…。賢章には…生まれ変わってもそのままでいてほしかったな…。前世のことなんて何も思い出さなくて”昔“の小野賢章じゃなく、”今“の小野賢章として…。

蒼井「ねぇ、賢章君…。」

賢章「ん？」

蒼井「ぁ…、ごめんなんでもない。」

お前は、一度俺に殺されてるって知ったらどうする？

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