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運命 ページ17

「この時間にこの場所デ……ボクは運命の人に出逢うんだと、ヴィーナスが教えてくれたんダ!」
彼は慣れた手付きでハードカバーの本を開き、あるページを僕の眼前に叩きつけた。
ほら、ここ。と指さした先には2つの惑星が仲良く並んだイラストだった。

どちらかがヴィーナスなのだろうか。
というかヴィーナスって何だ。金星だったか。
金星は女神なのか。
僕には全く分からなかった。
生憎僕は、迷信やオカルトめいた物に興味は無い。

「しかも、それがこんなに綺麗な人だなんテ……」
パタンと本を閉じて僕を恍惚とした表情で見つめる。

ふむ、悪くない……
「可愛らしい」のカテゴリに分類されるだろう笑顔に、中性的な顔立ち。
必要最低限の筋肉がついた、細めの体。
弟達と同じ、カタカナ混じりの話し方。
ああ、フリルとレースをあしらった黒いベールなんて被せたら最高だろうなぁ。

「ふふ……あえて白いロリータも良いかもね」
「ッ……ち、近ィ……」
彼の頬に手を添えて、少しだけ屈んで目線を揃える。彼は頬を赤く染めた。
可愛い女の子になれそうな逸材をまた見つけて、心の底から溢れる笑みが隠しきれなかった。ロリータを着たこの子を僕だけが愛して、ゆっくり彼の首を絞めあげるんだ。幸せな世界。
あ、何でもないよ。こっちの話。

「ああ、ごめんね。いきなり触れたりして」
頬に添えていた手掌を離し、名残惜しくも指先で彼の輪郭をなぞって手を引っ込めた。

「い、いや、大丈夫だけド……」
羞恥をはらんだ伏し目が泳いでいた。
本を抱く指が微かに震えていた。
初対面の子に対して、少しスキンシップが過ぎたかな。もしかして、怯えているのかもしれない。
僕は些か反省して、一歩後退した。

「……あ、行っちゃうノ……?」
そんな僕を見て、寂しげな顔をした彼は引き留めるように腕を少しだけ伸ばした。
「そうだね、君も授業に出なきゃいけないだろう?」
「ううん、もう授業は終わるはずだヨ」
彼が首を横に振り言い終えると、調度学院全体に大きなチャイムの音が鳴り響いた。

素晴らしいタイミングだ。
リズムゲームで言う、Excellent
まあ、僕はその手のゲームはあまりやらないのだけれどね。

「今が4時間目だったから、昼休みの時間だヨ。……一緒にガーデンテラスに行こウ、美味しいメニューが沢山あるんダ」

彼は僕の返事を聞かずに、手を引いて早々と歩き始めた。

ガーデンテラス→←仕事



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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……!ご指摘ありがとうございます! 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (7月13日 22時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。「混沌」でした!! (7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - 「悩み」の話の「敬人」が「敬斗」になってますよ(コソッ面白かったです。これからも頑張ってください! (7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります!(語彙力ない)笑 (6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流離いのsecret | 作成日時:2019年5月2日 14時

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