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先輩side ページ5

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『もう一度、あの頃をやり直したくて。私たちがまだ公園で会ってただけの時。あの時がいいです。まだ、先輩も明日香さんと付き合ってないあの時』
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Aが真面目な顔でお願いしてきた。

この子の目は昔から変わらないな…。


『わかった。』


そういったら、昔みたいに笑った。
あの頃よりずっと大人になって、幼さは消えてた。


でも、あの頃と同じ笑い方。


何か、悲しそうな。淋しそうな。
昔からそうだ。
そんな笑い方ばっかりさせた。


なんでだろうっていつも思ってた。
部活の時とかは、もっと元気で明るい笑顔なのに。


俺に笑いかけるときだけ。


そのときだけは、この笑い方。


『ねぇ、聞いていい?』


彼女はうなづく。


『何でそんなに淋しそうに笑うの?』


一瞬、目が揺らいだ。
そのあと、困ったみたいに前髪を触って、笑う。


見てほしくないときは、いつもそうやって顔を隠そうとしたよね。


理由なんて、わかってるんだ。


何年も、何年も前から。


Aのことを考える時間はいっぱいあったから。


でも、今日はAの口から答えが聞きたかった。


きっと、Aもそんな話をしに来たんだろうから。

昔の笑顔→←もう一度


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作者名:空音 | 作成日時:2011年8月14日 0時

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