先輩side ページ5
.
.
『もう一度、あの頃をやり直したくて。私たちがまだ公園で会ってただけの時。あの時がいいです。まだ、先輩も明日香さんと付き合ってないあの時』
.
.
Aが真面目な顔でお願いしてきた。
この子の目は昔から変わらないな…。
『わかった。』
そういったら、昔みたいに笑った。
あの頃よりずっと大人になって、幼さは消えてた。
でも、あの頃と同じ笑い方。
何か、悲しそうな。淋しそうな。
昔からそうだ。
そんな笑い方ばっかりさせた。
なんでだろうっていつも思ってた。
部活の時とかは、もっと元気で明るい笑顔なのに。
俺に笑いかけるときだけ。
そのときだけは、この笑い方。
『ねぇ、聞いていい?』
彼女はうなづく。
『何でそんなに淋しそうに笑うの?』
一瞬、目が揺らいだ。
そのあと、困ったみたいに前髪を触って、笑う。
見てほしくないときは、いつもそうやって顔を隠そうとしたよね。
理由なんて、わかってるんだ。
何年も、何年も前から。
Aのことを考える時間はいっぱいあったから。
でも、今日はAの口から答えが聞きたかった。
きっと、Aもそんな話をしに来たんだろうから。
ラッキーアイテム
革ベルト
631人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空音 | 作成日時:2011年8月14日 0時