同居人は有名人 6≪ﾆ/ﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ 完結 (ページ27)

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中山さんの普通ページ27

朝起きて、会社に行って働いて。

飲みに行く、もしくは帰って寝る。

そんな生活が、俺の普通。

その普通が最近少しかわった。

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朝起きて。

『おはよう。朝ごはんできたよ。』

って、明日香が笑う。

『ありがとう』

なんて言って、一緒に飯食って。
新婚さんみたいだろ？

でも、実際はそんないいもんじゃあない。

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あの日、橘Aに話しをしてから明日香は俺の家に転がり込んでる。

彼と結婚する予定だったから、一緒にこっちに来たけど…。

もう一緒にはいられない。
彼が朝起きて隣にいない事にもう耐えられない。
きっと帰って来ないから。って。

え？棚ぼた？
そんないいもんじゃない。

ほら。
今みたいにソファーで眠る明日香に、俺はなにもできない。

涙のあとがあることが当たり前みたいに泣きながら眠るこの愛おしい子。

可愛い、明日香。
可哀想な、明日香。
馬鹿な明日香。

そっと、明日香の頭を撫でてやった。

ふわっと、昔から変わらない匂いがする。

長い黒髪を手にして、それにキスをした。

だまってりゃ幸せになれたのに。

馬鹿な明日香。

…本当に、バカだな。

バシッと明日香の頭をはたいた。

『いったぁ…なに！？』

『こんなとこで寝てると風邪ひくから。寝るならベットいきな。』

『もー起きます！！買い物いってくる。』

なんて、怒りながら出て行く。

窓の外、あの長い髪がゆれる。

可愛い明日香。
可哀想な明日香。
馬鹿な明日香。

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そろそろ君を、捕まえてもいいのかな？