同居人は有名人 6≪ﾆ/ﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ 完結 (ページ19)

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はじまりの言葉ページ19

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『大丈夫ですか？』

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私たちのはじまりの言葉。

覚えてるかな？

和が腕を下ろして私を見た。

ニノ『それ、俺のセリフ。』

って。笑って。

うん。

そうだよ。

覚えてくれてたことも嬉しかったけど、それよりも和の笑顔が嬉しかった。

『そうだったね。』

私も、笑顔で。

和が手をのばす。

それに答えるみたいに私も手をのばした。

ベンチに座ったままの和と、和の前に立ってる私。

ゆるく手をつないだ。

『あのね、和。ありがとう。』

ニノ『なにが？』

『ずっと待っててくれて。』

うるんだ目で私を見る和。

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いっぱい傷つけたね…

いっぱいがまんさせたね…

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『つらかったでしょ？』

かすかに、つないだ手がその言葉に反応する。

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ごめんね。

ごめんね。

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何度も、何度も、心の中で謝って。

ニノ『うん…。ちょっとキツかったけど…』

和は私から目をそらさずに、

『でも、Aのが辛かったでしょ？』

『え？』

ニノ『何年も、何年も、1人で抱え込んで。俺の事も考えて。つらかったでしょ？』

こらえてたのに…

涙が出た。

なんでこの人は…

いつも、

いつも、

私のことを先に心配してくれるんだろう。

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『…ありがとう…。もう、蹴りつけたから…』

涙で和の顔が見えなくて。
少し強く手を握った。

『だから…だからもう一回、ここから…』

和が私の手をひいた。