＿ ページ38
.
「それなら....どうして私から離れていったんですか？私、ずっとずっと待ってたんです....先生の言葉信じてずっと....他の人を好きになることも出来ずに2年もずっと！」
俺より先に声を上げたA。
「....ごめん、」
「教えてください....あの時何があったのか、」
それから俺は今まであった事を包み隠さず彼女に話した。
本当は彼女がいたこと。
その彼女とは別れようと思っていたこと。
そんな中でAと出会ったこと。
本当はAが卒業するまで、彼女と別れるまで、関係を始めるつもりはなかったこと。
彼女にAとの関係がバレてしまい、脅されていたこと。
そして連絡先を消されてしまったこと。
それを聞いたAは、複雑そうな顔をした。
「....俺らの関係が彼女にバレた時、凄く問い詰められた。『未成年に手を出したって教育委員会にリークする。そしたらその子の夢も潰れるね』って、そう脅されて....離れるしか方法がなかったんだ。俺がしてしまったことなのにAの未来まで巻き込むわけにいかなかったから...」
やっと別れられた頃にはもう時間が経ちすぎてしまっていて、今更会いたいなんて言えなかった。
Aを危険な目に遭わせたくない。
せっかく掴んだ夢を俺のせいで無下にしてほしくない。
そんな想いで離れたけど、一度だって忘れたことなんてなくて。
本当はすぐにでも理由を説明したかった。
でも出来なかった。
そして離れることになった時、どうしようもなく自分勝手だけど待っていてほしいと思ってた。必ず迎えに行くからって。
それなのに結果としてAを深く傷付けてしまったのは俺自身だった。
「ようやく彼女と別れられた時、1番最初にAの顔が浮かんだけど、今更俺が現れたってきっと許してもらえないと思って。....そのくらい、傷付けちゃったから、」
「確かに、傷付きました」
「....」
「理由も分からないまま放置されて、本当は嫌いになろうとしました。忘れようとしました。....でも忘れられなかった。先生は嘘をつける人じゃないから、きっと何か理由があるんだって、心のどこかで信じてたんです」
彼女はスカートの裾を握った。
「凄く苦しかったけど、そんなことどうでもよくなるくらい先生とまた会えたことが嬉しくて堪らないんです」
彼女は一筋だけ涙を流した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3471人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - 彩海さん» お返事が遅くなり申し訳ないです....！楽しんでいただけたようで、本当に嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます（ ; ; ）現在連載中の作品など、他の作品でも楽しんでいただけたら嬉しく思います！ (2021年11月29日 23時) (
レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
彩海(プロフ) - 苦しいくらいぎゅんぎゅんさせていただきました……。cleam様の書くお話は全て苦しいです！！(もちろんいい意味です)完結お疲れ様でした、今後もお世話にならせて頂きます、笑 (2021年11月17日 22時) (レス) @page49 id: b8d91d7ead (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - つばささん» わー！よかったです（ ; ; ）幸せになるシーンが少なかったので、短いながらにお届けしてみました....！楽しんでもらえて嬉しいです（ ; ; ） (2021年11月13日 21時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - にゃー！甘々すぎて胃もたれしそうです…♡(略：最高です♡笑)更なる幸せそうな二人まで書いて下さって心がホッコリしました♡本当にお疲れ様でした(^^) (2021年11月11日 23時) (レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - センさん» ありがとうございます！続きをと仰っていただけることがとっても有難いです（ ; ; ）ただもう残りページがほぼないので超短編になりそうですが、なんとなく浮かびそうなのでまた出してみますね＾＾気長にお待ちいただけたら幸いです！ (2021年11月8日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年10月25日 22時
