好きです、先生。【青】２

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「動くな！」


「刃物を下ろしなさい！」












静かなマンションの廊下に響き渡る、数名の声。

異様な騒ぎに近所の人が通報してくれたのだろう。
タイミング良く警察が駆けつけてくれて、包丁を振り上げた彼女はその場に押さえつけられた。










「大丈夫ですか？怪我はありませんか？」










1人の警察官に支えられて起き上がる。
すぐ側には涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら「翔太！翔太！」と泣き叫んでいる彼女がいて。

それから訳も分からないまま警察に連れて行かれ、事情聴取を受けた。聞かれたことを、事実を、何の偽りもなく伝えた。











「はい、ではこれで事情聴取は終わりです。お疲れ様でした」


「あ....はい、」


「じゃあ次はこちらの書類の記入をお願いします」












次の手続きが淡々と進んでいく。
必要事項を記入すると、警察官がニコリと微笑んだ。












「これでもう大丈夫ですよ」


「え....大丈、夫、？」


「えぇ。もう彼女があなたに付き纏うことはないですから、安心してください」












警察官の言葉に、体の力が抜けた。


やっと、やっと解放されたんだ、











「もう、終わり、？」


「もう終わりです。大変でしたね」











カタカタと震え出す体。











「ありがとうございます、！」










その日は解放された嬉しさからか、大人気なくボロボロと涙を流した。





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