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勇気を出して発した言葉。
その言葉で照史は「おん、ありがとな」って笑顔になる。
…はずだった。
でもその予想は外れて、彼は顔をしかめてこっちを向いた。
桐山「自分、今なんて言ったん…?」
『え、だからうちの分まで幸せになってねって…。』
もう、何回も言わせないでよ…。
そんなことを思ってまた泣きそうになったとき、隣からははっと笑い声。
『…なによ。』
桐山「いや笑。多分やけどAなんか勘違いしてんで笑。」
カンチガイ…??
よく意味が分からず首をかしげると、
照史は「これでも気付かへんってどんだけ鈍感やねん…」って呟いて頭をかかえた。
え、うちなんか変なこと言った?
桐山「俺の好きな人、ほんっまに分からへんの?さっきのほぼ答えやねんけど。」
『んー……。。。』
そんなこと言われたって…。
さっきのヒントを一生懸命思い出してうちの知ってる人に端から当てはめてみるけど
残念ながらうちの知り合いにそんな子はいない。
どうしても分からず、力なく首を横に振ると
照史ははぁぁ〜〜………と深いため息をついてから、諦めたように笑って
桐山「もお〜、しゃーないなー!!
ほな特別に教えたる。ほら行くで!」
と、未だ状況がイマイチ飲み込めていないうちの手を強く引いてズカズカ歩き出した。
いや、特別に教えたるって、もうその子には敵わないことが分かったんで
教えてもらわなくてもいいんですけどね…。
一瞬そう思ったけど、まぁうちが無理矢理聞き出したも同然だから一応聞いとくかと思って
早足でどこかへ向かう照史に一生懸命ついていった。
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作者名:あんず | 作成日時:2020年11月23日 12時