Love Short WESTories (ページ36)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:56,793 hit

4 ページ36

・

『(ガラガラ)お母さーん？ただいまー！！』

桐山「行ってきたでー！」

母「あー、おかえりー！」

ガラガラっと昔ながらの引き戸を開けると、

奥からエプロンで手を拭きながら出てきたのがうちのお母さん。

自分で言うのも変だけど、うちのお母さんは同年代の他のお母さん方よりは若くて綺麗な方やと思う。

昔はよく皆に年齢教えたら「えーーーーっ！！」って驚かれたな。

そういえばお父さんも

なんで母さんみたいなべっぴんさんをお嫁さんにできたのか不思議や

ってよく言ってたっけ笑。

母「ほら、手洗ってお父さんにも挨拶して来て！」

『はぁーい！』

手を洗い仏壇の前に行くと、そこには優しい笑みを浮かべたお父さんの写真。

さっきも言うたけど、3年前に死んでしまったお父さん。

大工さんをしていてとても力持ちで、

うちがひとり娘だったからかとても優しくて、

よく一緒に遊んでくれるいいお父さんだった。

…そう思うとちょっと照史に似てるかも。

周りの人からも好かれてたみたいで、

お父さんのお葬式に来てくれた人と

ワンワン泣いてる人の多さにびっくりした。

『お父さん、ただいま。』

そういえばお父さんも私の関西弁好きだったよね。

うちが喋るたびに「Aはほんまにかわええなぁ」って、

それこそさっきの照史みたいな笑顔で。

そうやって懐かしいなぁなんて感傷に浸っていると、

居間の方から照史の元気な声が聞こえてきた。

桐山「Aー、お茶やでー！」

『んー、今行くー！』

お父さん、私も幸せになれるかな？

・