小説の「文」の書き方講座

二十九歩目「表現技法〜言葉を擬人化する〜」 ページ30

比喩法で思い出しました。こいつは表現技法と呼ばれるものたちのひとつだということに。
というわけでやってまいりました、表現技法シリーズ、今回は「擬人法」です。しばらくネタ切れを心配しなくて済みそうで安心しました！

「擬人法」は、さっき言った、心情を情景描写化するの逆パターンです。情景描写を心情化します。
つまり、人以外のもの、まあ無機物ですかね、を人として扱うんです。
お空で例えましょう！「雨がしとしとと降っている」は「空が泣いている」にできます。他も同様です。「晴れ」は嬉しいとか楽しいとかわくわくとかなんでもできそうですよね。

お空だけだと偏っちゃうので、ほかでも例えてみましょう。月と太陽なんかどうですか。「月と太陽は、それぞれ夜と昼に空へ上るから、同時に空の上に存在することができない」とします。「月と太陽は、絶対に会うことができない」にできます。
まあ、実際は昼でもお月様見えてること、しょっちゅうあるんですけどね！！せっかちなお月様だな！好きだぜそんなおまえ！

実際月も太陽も生きていないので、「会う」という動詞は使いません。でも使います。だって今だけは月という名前の人間と太陽という名前の人間だから！そういうことです。
ところで太陽くんは実在しましたが、月くん(ちゃん)はまだ会ったことがありません。あなたの周りにいますか？お月様の名前を賜っている人！

じゃあどうすれば上手に擬人化できると言ったら、簡単です。ものの「動き」を人の「動作」で比喩するんです。
「太陽は沈み」ますが、山に沈んでいく様子なんかは「隠れていく」ように見えませんか？しかも太陽が沈む時間帯って、「空が赤く」なります。赤くなるって、「恥ずかしがっている」みたいじゃないですか？
「太陽が恥ずかしくて山に隠れる」んですよ！！何が恥ずかしいのかは知らないですけど！あれですかね、夜だとカメラ映り悪いんですかね！
月は夜になると、「俺の時間だ！！！！！」と言わんばかりに輝きだしますね。星も「エキストラとして引き連れて」ね！！！それとも「王様が率いる兵隊」でしょうか！月の雅な感じには合わないような気もしませんが、おっきいものの周りにちっちゃいものがたっくさんある状態って、おっきいものがちっちゃいものを「従えている」風に見えます。

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