寝ても覚めても。２ (ページ7)

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動揺を隠せないまま
教室に戻る道を行くしかないわたしは

あの三人のことも
松本くんのことも

どうしよう
どうしたら上手くかわせるんだろうって
そんなことばかり

乾「あ！」

どうしよう
変だったかなあ
いや、変じゃないよね？

大丈夫
次またあんな風に遭遇したって
きっともっと上手くさりげなくできるし

いや、もう遭遇しないように…

乾「…Aちゃん！」
「えっ」

突然、乾くんの顔がうつむいてたわたしを覗き込んだ

びっくりした！

「乾くん…」
乾「どうしたの？何か考え事？」
「…うん、ちょっと考えてた……」
乾「下見てたら危ないよ？教室戻るなら一緒に行こう」
「ありがとう…」

張り詰めてた気持ちが緩む
並んで歩いてくれる優しさにほっこり

どうかした？って
ある程度自分の周辺を知っている人に聞かれるのと
知り合ったばかりの人に聞かれるのとでは
追い込まれ方も違う

松本くんに聞かれる「どうした？」と
乾くんに聞かれる「どうしたの？」は

全然、違うんだなあ

乾「大丈夫？」
「うん、平気だよーありがとう」

なぜだかとっても心配してくれる乾くんと並んで教室に入ると

机にだらーんと上半身を預けてスマホをいじっていた松本くんがこちらに気づいた

乾「無理しないようにね？」
「うん、ありがとう」

最後まで心配性な乾くんと別れて
自分の机に戻ると
松本くんがちょっぴり低い声を出す

潤「長い便所だったな」
「ちょっとお散歩してきたのー」
潤「二人で？」
「ん？」

松本くんがギラギラした瞳で
乾くんの方を、ん、って指す

「乾くん？途中で会ったから一緒に戻っただけだよ」
潤「お前ら仲良かったっけ？」
「この間、友達になったんだー」
潤「ふーん」
「松本くんも仲良いの？」
潤「普通に喋るけど」

なんかちょっとムスッとしてる？

私がさっき話の途中で逃げたからだな？

でも
そこには触れてほしくないんだもん

そこでちょうどもっちーが戻ってきて
相葉くんも戻ってきて

お昼休みはもう終わり

授業がはじまるチャイムが鳴って
ふと目をあげたら
こちらを見てる乾くんと目があった

乾くんがにっこり笑って
つられてにっこり

きっとまだ心配してくれてるんだ
優しい人だなあ

横からも視線を感じて松本くんを見る

「なーに」
潤「…別にー？」

今日の松本くんはなんだか変だ

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