寝ても覚めても。２ (ページ13)

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..*53...Jun side ページ13

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関係ないでしょ

って言われてムカついて

ごめんね、相談乗って欲しい

って言われてホッとして

振り回されてる自分に呆れる

乾に挨拶されて
困ったふうに、瞳をウルウルさせて
なんだそれ

俺にはそんな顔したことないくせに。

俺が知らないところで
Aの中にあったクラスメイトの男の立ち位置が一瞬で変わって・・・

これは、焦りだ

雅紀が部活の集まりかなんかで
「行ってくるー！」って楽しそうにいなくなった昼休み。
教室でソワソワし続けるAを
持田と２人で連れ出した

中庭のベンチに腰を下ろした瞬間
Aがホ、と安心したようなため息をつく

持田「・・・で？」
「あ、…うん、あのね」

周りをキョロキョロと見渡してから
小声で、瞳を困った風に潤ませたAが喋り始める

なんだコイツ
かわいいな、とか思う自分がマジで滑稽

「乾くんに、昨日、放課後、……」
持田「うん？」
「んー……と、昨日、」

モゴモゴ言ってその先をなかなか切り出さないAに
つい「なんだよ、早く言え」と不機嫌な声が出る

「・・・…付き合いたいって言われた…」
持田「あら」
潤「……」
持田「乾って、Aだったんだー」
「私も、びっくりしたんだけど、なんで、私なのか・・・」
潤「返事は？」
「えっ」
潤「なんて返事したんだよ」
「……まだ何も言えてなくて、わたし」

うー！って両手で顔を抑えて
上半身を屈み込んだA

Aを挟んで向こうに座っていた持田と目があって
ニヤリと心底楽しそうに持田が笑う

潤「なんて返事すんの？」
「う」
潤「ん？」
「…分かんない……」

持田「乾は悪い奴じゃないと思うよ？」
「・・・うん」

「…でも、私は、好きなひとがいるし、」

俺が振られたわけじゃないのに
その言葉が、ズシッと胸に響く

「好きなひとがいるのに、乾くんと付き合うのって、ちがうよね」
持田「…そーかもね？」
「…でも、私、もうやめたくて」
持田「うん？」
「……和くんを、好きなの、を、…もうやめたい……」

ひーん、って情けない声を漏らして
ポロポロと涙をこぼす

やめたいって言いながら、ポロポロ泣いてるAは
初めて俺が、こいつの恋心に気づいたときよりも
ずっとずっと、あいつのことが好きになってる気がした

子供みたいに「和くん和くん」と
無邪気に好きだと言えなくなるくらい

Aはいつの間にか、本当に、あいつを想うようになってたことに

俺は、今更気がついた

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