牢獄の中の少年たち (ページ30)

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紫「ここ踏み出せば

　もう外の世界なんか」

廉「出よか」

海「せーの！だよ！せーの！」

和「せーのー！」

1歩を踏み出した

海「また俺のとった～！」

紫「どんまい」

自分達が入っていた場所を

久しぶりに外から見た

流「あの看守の分もちゃんと生きような」

廉「おう」

大「さよならとお別れの挨拶を言うかわり

　君にこの歌を僕はおくりたい」

紫「君の悲しみ知りながら

　君の悲しみ知りながら」

和「なにもできない僕なのね」

岸「元気でとお別れの挨拶を言うかわり

　君にこの歌を僕はおくりたい」

『君はこの歌をいつも歌ってくれ

　君はこの歌を歌い続けてくれ

　君は歌いつつ歩き始めてくれ

　君が歌うとき君が歌うとき

　僕も共にうたう

　君は顔あげて今日も進んでくれ

　君は涙拭き明日に向かってくれ

　君は風の中つよく走ってくれ

　君は空見上げ君は空見上げ

　さあ手をふってくれ』

紫「大吾、帰ろ」

大「弟の墓参りいかなあかんもんな」

流「俺もかーえろ」

道「久々の家かー」

恭「楽しむやな」

丈「ついてくんなや」

和「俺とまだいたいくせにぃ！」

謙「ほんま丈のこと好きやね」

岸「いえいえいえ……家どこだ？」

海「帰れるー！家知らないけど」

玄「神宮寺～」

神「はいはい、帰ろー」

廉「じゃ、また何年後かな」

『またな！』

こうして、少年たちは自分達の家へ

かえることができた。

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