128 ページ38
・
「失礼します。」
そう言って開いた秘書室は
なんだかもう懐かしくて
「あ、なんだAサボりに来たの？」
って二宮主任。
今日もワンコみたいで可愛い。
「櫻井課長の指示できました。」
「なんだよー、翔ちゃんのパシリかよ。俺に会いたくて来たって正直に言ってもいいんだよ。そしたらランチくらい一緒に食ってやるのに。」
この感じ、久しぶりで心地よい。
嬉しくてついニコニコしてしまった。
「松本課長は在室ですか？」
「いるよ。無駄にイケメながらね(笑)」
笑ってしまいながら、課長室をノックする。
中から返事があってドアを開ける。
奥のデスクに座る松本課長がキラキラしすぎて眩しい。何これ？後光？
おいでおいでっていう手招きに
引き寄せられて、デスクの前。
久しぶりにこんなに近くで見る松本課長は
5秒見たら目が眩むくらいの眩しさ。
「翔さんから聞いてるよ。UNTITLED社の情報だろ。」
「はい。」
「USBに落しておいた。鍵は会社設立の日×2」
「ありがとうございます。」
「あと、雑多な資料はAのデスクに置いてるよ。」
「私のデスク、まだあるのですか？」
「当たり前だろ。あのさ、思い出してよ。Aは翔さんの部署に貸し出してるだけで俺の秘書課所属だからね。」
「はい。」
「覚えてるならいいよ。」
ちょっと怒り気味に言ったのは
松本課長の優しさ。
立ち上がって。
私の頭に手を置いて。
「もう秘書課に戻して貰おうかな。」
って笑った。
「管理課にも寄るんだろ？一緒に行くよ。
それからランチしようか、久しぶりに。」
「はい。二宮主任も？」
「なんでニノを誘わなきゃいけないんだよ。」
ってまた怒った。
松本課長って、気性の変化がこんなに荒い人だった？
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハルヒ
| 作成日時：2020年2月15日 9時
