最愛 3 (ページ34)

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私のマンションの前にクルマが停まった。

「今日はすごく楽しかったです。ありがとうございました。」

「俺も楽しかったよ、A」

課長にじっっと見つめられて。

あぁ、この空気感。

キスしちゃうのかな？

と思って緊張してたら

頭ポンポンってされて

課長はクルマを降りて助手席のドアを開けてくた。

手を引かれてクルマを降りたら

「おやすみ。」

って、すんなり帰って行った。

ちょっとガッカリしてる私。

ものすごく楽しくて幸せな1日だった。

もっと一緒にいたかったけれど
それをしなかったのは自分自身。

なのに、帰っていく課長を見て
寂しく思うなんて。

贅沢なんだ、きっと。

部屋に戻って、ソファーにカラダを投げ出して。

目を閉じたら浮かぶのは課長の笑顔ばかり。

私も課長の記憶の中に

笑顔が残せますように。

始まりがあれば終わりがくる。

永遠に続くなんて期待しすぎない。

ただ課長が好き。

それだけでいい。

この気持ちだけは変わらない。

『幸せすぎて怖い。』

よく聞いていたその言葉の意味を
初めて実感していた。

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