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期待でのぼせ上がりそうだから
あえて
「橘課長から連絡ありましたか？」
って聞いてみた。
朝、智くんに電話しても出なかったから。
きっと爆睡してるはずだけど
「ないよ。」
あっさり答えてくる。
「心配ではないのですか？」
「そりゃ、落ち込んでのは心配だったけど。智くんに任せたし。」
昨日も気になった事がまた。
このモヤモヤはきっと何度もやってくる。
でも確信に触れるのは怖い。
「昨日、橘課長に何があったのか、聞いていいですか？」
思い切って疑問のひとつを聞いてみた。
「パワハラにね、あってたんだよ。」
「パワハラですか？」
「そう。元上司で今はクライアントの責任者の」
昨日、岡田先輩達からきいたあの話。
課長が成敗した人の事？
が、クライアント？
「Aは知らない人だけどね。いたんだよ、すげーやな奴が。」
「ずっと橘にセクハラパワハラしててさ。やっと会社を辞めたと思ったら、取引先としてまた関わってきたんだ。」
「大ピンチだろ？」
「だから助けに行ってきたんだけどさ。橘落ち込んじゃって。」
「相手に太刀打ちできない自分と、
俺に助けを求めなきゃいけない自分にね。」
「だから昨日はあれ以上俺が橘に何かをしてあげるのは良くないと思ったから、何の関係もない智くんに委ねたんだ。」
「そうなんですね...。パワハラとかセクハラとか許せないです！」
「だろ？俺もすっげ頭にきてるけど。担当を変わってやるのは簡単だけど、きっと橘はそれをしないからサポートを、ね。」
「橘課長が戦うためなら私もお手伝いしたいです。」
「それはダメ！」
すごく強い口調で言われた。
「Aが巻き込まれたら困る。」
「橘の事は心配しなくていいよ。」
橘課長には櫻井課長がついているから。
私は足手まといになるから？
「Aがセクハラされたら嫌だからだよ。」
「わかってよ、ね？」
ちょっと困った顔で一瞬私を見た。
その顔に胸がぎゅっってなって
私はそのまま無言になってしまった。
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2020年2月15日 9時
