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何も考えずに行動を起こしたばかりに、次どうしたらいいかわからず。
しばらく動けなかった私に
「座れば？」
視線を逸らしてから和也に促されて、ソファーから少し離れたラグの上に腰を降ろした。
「こっち来れば？」その言葉が欲しかった訳じゃない。ただなんとなく気まずくて、隣に座れなかっただけ。もし座っていたら、もっと気まずいだけなのに。その言葉をもらえなかったことに傷ついてる私がいる。
何か話を・・と思っても、何も浮かばないし。
自分で気まずさに首を絞めてるのに、気の利いた言葉も浮かばないほど、傷ついて混乱してる。和也のせいじゃなくて、勝手に困ってる私のせい。
「何か作ろうか？お腹空いてるって、」
「話があんだけど。」
抑揚のない、冷たい声。
次に発せられる言葉は、いい言葉じゃないってわかる。
「俺に、話すことない？」
予想してた言葉ではなかったけど、まっすぐに私を見つめる瞳に負けないように必死だった。
「話す・・こと？」
和也は私に、何の話をさせようとしてるんだろう。何もやましいことなんてないのに、頭に浮かぶことはどれも胸を締め付けた。
「俺に話さなきゃいけないこと、あんだろ？」
「・・ごめん。あのね、」
「わかった。」
抑揚のななかった言葉に熱が籠る。それは初めて感じる“怒り”の熱を帯びてる。
「もう、会うのはやめよう。」
「・・え？」
「その方が、お互いのためだろ？」
「どうして？和也勘違いして、」
「勘違い？初めはそう思ったよ。でももう、勘違いじゃなくなった。お前の顔みたら。」
ソファーに座ったまま、私を見上げた瞳は、もう熱は冷めていて。悲しそうに目を細めた。
「俺は・・お前を信じすぎてた。もっと、縛りつけとくべきだったな。」
優しくてあたたかい、いつもの和也の瞳が私を見つめる。別れを告げられてるこの状況でも、和也は優しい。
「和也だって・・」
だからなのか、言いたくない言葉がこぼれて止まらない。
「やましいこと、いっぱいあるくせに・・自分のことは棚に上げて？・・ズルいよ！」
その不必要な優しさにすら、甘えてる。
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作者名：蒼しょこら
| 作成日時：2019年6月5日 13時
