愛のかたまり117 ページ20
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あ「どうしたの、急に。」
久しぶり聞いた彼の名前にドキドキしながらも
視線を落として再び箸を動かす。
タツヤ「あの騒動があってから
ずっと心配だったんだ。大丈夫かなって」
落とした視線はそのまま、
箸を一旦テーブルに置いてから
口を開いた。
あ「…紫耀ちゃんとはお別れした。
週刊誌に載っちゃったすぐ後に。」
タツヤ「平野くんから言われたの?」
あ「ううん。私からだよ。」
芸能人はイメージが大事だ。
彼のイメージをこれ以上悪くなるのが
堪えられなかった。
あ「いつかバレることは分かってたし
別れがくることなんて覚悟してたから
そんなにダメージなかったのかも。」
彼が夢に向かって頑張れるなら、
彼のイメージが戻ることが出来るなら、
彼との関係が終わってしまっても平気。
えへへ、と目を細め、笑って見せた。
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タツヤ「本当に言ってんの?それ」
あ「うん。本当だよ。
それに仕事も忙しくて考える暇もないくらいだし」
どうしてタツヤが辛そうな顔してるんだろう。
どうしてそんなに聞いてくるのよ。
何が言いたいのかサッパリ分からない。
けれど、
タツヤ「だったら、」
再び開いたタツヤの口から出る言葉の先を
聞くのが何故か怖い。
タツヤ「なんで今にも泣きそうな顔してんの?」
ほら、その目。
私の全てを見透かされてるような目。
タツヤ「元気そうに見えて実際は空元気じゃん」
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時