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愛のかたまり40 ページ39

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紫「でもなんか冷たい。」



あ「そんなことない。」



紫「言葉に棘がー…「怒ってないってば!」





いつもより気丈が荒く、感情が一気に高ぶって


案の定彼に当たってしまった。



これは月のモノのせいなんだろうか。





ピリリとした張り詰めた空気の中に


沈黙が広がる。







あ「あ、え…と…ごめん、」





なにやってるんだろう、私。


はぁ。もうやだ。



我に返った瞬間、激しい後悔にさいなまれて


瞼に涙が溜まる。







あ「ごめっ、今日は帰って、」







.







油断して瞬きしたら溢れそうな涙を


必死に堪え、彼に背中を向けてたら


ふわっと優しく包み込まれた。







紫「…ごめん。A」





なんで紫耀ちゃんが謝るの…っ


紫耀ちゃんは何も悪くないのにっ





紫「嫌な思いさせて。」





いつもより甘い低音ボイスが


やけに自分の胸に響いてくる。



堪えてた涙がついに我慢できなくなって


一筋引いたら、そこから止まることなく


溢れてきて。





あ「ッ、」





静かに声を押し殺して泣いた。







.







それでも肩が微かに揺れるから


それに気付いた彼に





紫「泣いてんの?」





顎掴んで無理矢理私の顔を


自分の方に向ける。





あ「やっ、見ないで…!」





フイ、と顔を背けてもまた元に戻され、





紫「なんで泣いてんの?」





どこか嬉しそうな顔を浮かべていた。



わざわざ理由聞くなんて野暮だ。





紫「嫌だったら素直に言えばいいのに。

なんで強がるの。」



あ「…。」







たかが仕事でのキスシーン。



そんなことで一々嫉妬して、


彼にめんどくさい女なんて思われたくない。









.

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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時

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