愛のかたまり34 ページ34
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くるんっと紫耀ちゃんの方へ寝返ると、
眉を垂らし、ちょっと伏し目がちで
不安な表情を浮かべていた。
あ「紫耀ちゃん？」
紫「離れてかないで、A。」
…あーもう。こういうとこ。
クゥ〜ンという声が出そうな
子犬っぽい感じがかわいい。
年下とは感じさせない大人な部分が多いけれど、
こうやって不意に見せる年下な部分が、
たまらなく私の母性本能を擽らせる。
キュンっと胸がときめく。
あ「離れてかないよ。
私はずっと紫耀ちゃんのそばにいるから。」
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見た目とは裏腹に、実は寂しがり屋で。
自信に満ち溢れてそうなのに、
本当はこれっぽっちも自信なんてなくて。
愛想尽かれないように
精一杯自分なりの愛情表現を言動で示してくれて。
そんな彼とは対照に私はあまり口にしないれけど、
私の全てを受け止め、優しく包み込んでくれる。
彼のそういうところが大好きだ。
だからなのかもしれない。
この1年半、
倦怠期もなくて、マンネリ化もなく、
いつまでも私をときめかしてくれる。
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普段は恥ずかしくて滅多に言わないけど、
あ「私は紫耀ちゃんが大好きだよ。」
たまにサラッと言えちゃう時がある。
自分でも不思議。
紫「え、Aから言うって珍しい。」
あ「私も思った。」
でもやっぱり後になって恥ずかしくなる。
紫「なぁ、もう一回言って。」
あ「やだ。もう言わない。」
紫「お願いっもう一回だけ！」
あ「言わないよーだ。ふふっ」
さっきまで弱気だった彼はどこへやら。
すっかり元に戻っている。
時々見せる、すぐ不安がって弱気で
自信のないそんな彼が、堪らなく愛しい。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年12月6日 15時
