愛のかたまり18 ページ18
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タツヤ「ごめん、遅れた。久しぶり。」
…タツヤ…?
数年ぶりに聴く名前と
久しぶりに見た栗原くんの姿に、
心臓が大きく波を打った。
「タツヤ、こっちこっち!」とナオトが
自分の隣の席に手招きする。
紗「なに飲む?」
ナオトの隣に着いて、
栗原くんの飲み物が届いたのを確認し、
再度みんなで乾杯し直した。
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みんなに色んな質問を受け、
一つ一つの質問に丁寧に答えてく栗原くん。
それが一段落した後、私の方へ顔を向けて
タツヤ「久しぶり、柳瀬。」
笑顔を浮かべた。
あ「…久しぶり。」
顔は大人びてるのに、
その柔らかい笑顔は高校の時から変わってない。
タツヤ「見ないうちに綺麗になったな。」
あ「そ、そうかな?」
あれ、
栗原くんってこんなこと言うキャラだっけ?
長い間海外に住んでてその影響で
若干外国かぶれなのだろうか。
あ「栗原くんは相変わらずの容姿だね。
女が放っておかないんじゃない?」
タツヤ「ははっ。なんだよそれ。」
紫耀ちゃん以外の男性から褒め慣れしてなくて
一瞬ドキッとしてしまったことは
自分の胸の奥にしまっておこう。
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学年一イケメンと密かに言われていた彼。
甘いマスクにクールな栗原くんは
誰にでも優しく、クラスの中心的人物で
女子の間では断トツでモテていた。
モテてたけど、
誰も栗原くんに告白する子はいなかった。
抜け駆け禁止。
それが私達女子の間の暗黙ルールで。
誰かの栗原くんではく、
"みんなの栗原くん"になってたから。
だから、密かに想いを抱いてた子もいたと思う。
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私も、その内の1人だったから。
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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時