好きだった【S.S】 (ページ6)

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5.鼻歌まじりページ6

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今日は、翔くんが、ピアノの日だ。
私は、まだバスに乗り込まず、
スクールバス乗り場のベンチで
翔くんを待つ。
ドキドキとかじゃなく、
鼻歌まじりで、待つ。
一人っ子の私に、
可愛い弟が出来た気分だ。

最初少し警戒されてたけど、
今は、あたり前に、一緒にバスに乗る。

翔くんは忙しい。
サッカーにスイミング、
リトミック系の英会話に、
ピアノに、絵画教室…

私もひととおりやってきたから
話も弾む。
特にピアノは、あの曲のここがどうとか
こうとか、話がはずむ。

私がついこないだ弾いてた曲を
翔くんがもう弾いてたり、
リトミックの英語の歌を正確な発音で歌ったり
いちいち、言うことが理にかなってたり
こういうのを神童って言うのかと思うし、
年の差を感じさせないときもあるけど、

バスの中で寝ちゃう時は
ちゅーしてやろうかと思うくらい可愛い。

そんな関係が4～5年続いた。

出会って3年目、私が中学生のとき
彼氏も出来たりしたけど
翔くんと私の距離感は変わらないでいた。