好きって言ってよ２［佐野玲於］完結

最優先事項 ページ6

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『へ？………っっ！』




瞬間、ドキッと高鳴る鼓動。
身体全体が、心臓になったかのような感覚。




玲於くんからの、いきなりの、
ばっくはぐ







ああ死ぬ。幸せ。
玲於くんに応えるように
好きだよって気持ちを沢山こめながら
首から回してきた手をぎゅっと掴んだ



エレベーターでぎゅっとされた時は一瞬だったけど
こんどはすぐ離れることはなく
確かに抱きしめられていることを感じて
泣きそうな気分になる




はたから見たら普通のカップルに見えるだろうな〜
…けどわたしたちはまだそうとは呼べる位置にはいなくて



いっそこのまま思いを伝えてしまいたいけど

もし、拒絶されたら
距離を置かれたら
わたしと同じこと考えてなかったら
って

玲於くんを失うかもしれない代償を
考えたら怖くてできなくて


わたし、田舎者だからこんなの慣れてないし
玲於くん、芸能人だからこうゆうのスキンシップとして当たり前なのかもしれないし、





とにかく、確かな決め手なんてものが
ひとつもなくって





さっきまで幸せな気持ちだったのに
玲於くんの熱が伝わってくる中で一生懸命ぐるぐる頭を回転させてはブルーな気持ちになり始めてきて






いつかは玲於くんは誰かのものになってしまうんだってそんなことはわかってる、でもね

１つだけ出てる答えは
絶対に玲於くんだけは失いたくない
それがわたしの最優先事項だから




わたしには今この幸せの瞬間を噛み締めることしかできなくて









ねえ、玲於くんはいま何を考えていますか？
わたし、玲於くんのことこんなに大好きだよ

…玲於くん、ねえ、玲於くんも
わたしのこと好きって言ってよ…







玲於くんに包まれながら見る夜景は
まばゆくきらきら輝いているんだけど
どこか、すごく悲しんでいるようにもみえた。

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