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『体が、軽い…?』
「うむ!鍛錬の成果だな!」
連日、山登りに加えて慣れてきた頃には筋力強化の鍛錬も追加された。初めは鬼師範…と心の中で悪態をついていたが、重ねていくうちに自分でもそれらの効果が表れているのを感じていた。
そして、今日は師範との打ち合い。
以前よりも格段に刀が振りやすくなった。
『炎の呼吸…壱ノ型 不知火…っ!』
あれだけ苦労していた炎の呼吸の技も、
まだまだ下手な部類には入るが技として出せるように。
「さぁ、もう一本!」
そしてなにより師範がとても楽しそうなのだ。
そんな姿にもっと応えたい、もっと上手くなりたいと思ってしまうあたり彼はよほど指導が上手いのだと感じた。
*
「こんにちは〜っ!」
玄関からなにやら女性の声。
おや、甘露寺だな!と一時中止の声と共にそちらへ向かって行く師範。
「あらっ!継子の方ねっ?はじめまして!」
汗を拭き、身なりを整えている私の元へ現れたのは桃色と若草色という髪を三つ編みにした自分と同じくらいの年の女性だった。
隊服の露出度が異様に高いが、大丈夫なのだろうか…。
『こ、こんにちは…。』
あまりの衝撃に、人見知りというわけではないのにどんどん声が小さくなってしまう。
「甘露寺蜜璃って言います!
私も煉獄さんの継子だったのっ!!」
“最近継子が柱にってしまったから寂しくてな!”
あの日師範が言っていたのはこの方の事か、と合点がいく。
『そうだったのですね。
今、お茶を淹れてまいります。』
「頼むぞ!」「あら!ありがとう!」という言葉に頭を下げて台所へ向かう。
楽しそうに弾む会話を背に、ほんの少し胸のあたりが痛むことには知らないフリをした。
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愛之助(プロフ) - あ〜〜😭URL送ってくれてありがとう…煉獄さん本当にかっこいい解釈一致でしかないもういっつも文が最高かてぇ…本当に無料で読ませてくれてありがとう…🙏 (2021年11月2日 21時) (レス) @page23 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん読んでいただきありがとうございました!あるとすればそれは…の内容はほんと、好きに想像してください!ふふふ (2021年10月19日 9時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - ひよさん» 遅くなり申し訳ありません!!最後までお読みいただきありがとうございました!煉獄さん、ずるい男です。もう呪いでしかありませんでした…来世があれば一発ビンタしたいです。← (2021年10月19日 9時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 澪凪さん» 遅くなりごめんね!読んでくれてありがとう♡そんな大したことないからそんな褒めなくていいよ!笑 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 7ac5652e2e (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 完結おめでとうございます!切ないっ(/_;)/~~いつも解説ありがたいです!それ とは何か…まだわからない私です(ごめんなさい)唯梨さんの小説読めて嬉しいです!! (2021年9月30日 7時) (レス) @page22 id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯梨 | 作成日時:2021年9月18日 21時