とある森の妄想族(短編集) (ページ7)

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そんなともちゃんがくっつくことを許してくれたのは夏祭りだった。
お互い浴衣で近くの神社のお祭りに行ったとき、よそ見をしていたらはぐれちゃって。
知らない男の人に囲まれてしまって。

「お姉さん、一人？」

「可愛い～！俺らと一緒にまわろうよ」

女子校育ちで男の人に慣れていない私は怖くて怖くて。
声が出ない私にベタベタと触ってくるのが不快で泣きそうだった。

「どけや」

『ともちゃ...』

気付くとともちゃんに腕を引っ張られ人の少ないところへ連れられた。
後ろから男の人達の声が聞こえたがこの人の多さに追ってくることも出来なかったみたい。

『ともちゃ...っ、とも！』

「、っごめん」

『怒ってる...?』

「んーん、怒ってへんよ。はぐれてごめんな？」

『とものせいじゃないじゃん...私がよそ見してたから...』

「もう、そんな顔しないで？今度ははぐれないようにくっついていよ？」

『いいの？ともいつも嫌だって...』

「Aとはぐれる方が嫌や」

いざくっついて良いと言われると恥ずかしくて浴衣の袖をぎゅっとするくらいしか出来ない。

「そんなんでいいん？いつもはもっとガバッてくっついてくるのに」

『煩い！意地悪言わないで！』

そしてこのときからかな、ともちゃんが私の頭を撫でるようになったのは。

「かわい、」

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