とある森の妄想族(短編集) (ページ37)

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個室番外「今日もお疲れ様」ページ37

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ご存知の方も多いですが、金曜日の居酒屋はもう死ぬほど忙しいんです...。
ピーンと気を張っていないとオーダーミス、卓番ミスなどなどしちゃうので必死です。
だから、店を閉めた後疲れてぐったりしちゃう。
そこに神山さんがお迎えに来てくれる日はやっぱり嬉しい。

「山さん〜お疲れ様です〜!」
(おー神ちゃん！Aならそこで死んでんでー)
神山さんがお迎えに来ても賄いを前に机に突っ伏しています。
「Aちゃん、賄い食べへんの？」
『ん〜食べます、』
「はよ食べて帰ろう？車で来てるから」
『でも、疲れました...』

って顎を机の上で組んだ腕に乗せると目の前にスプーンに救ったロールキャベツが。
吸い込まれるように口を開けると、口に入ってくる甘くて優しい味。

『美味しい！！！』
「ふは、元気になった笑」
ロールキャベツが一番賄いの中で好き。
金曜日はご褒美も兼ねて良く出してくれる。

それ目当てで忙しい金曜日にシフト入ってるんだけどね。

『もう最高！ありがとうございます！』
(ええから待たせてないではよ帰りや〜)

食べてる間もずっと真正面で見てくる神山さん。

『ん？』
「美味しい？」

その言葉にうんうんと頷くとすっごい優しい顔でニコニコと笑う。

この顔もロールキャベツと同じくらい、いやそれ以上の効果があるなんて、絶対口には出せない。

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