個室予約のお客様「呼び方」 ページ26
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こちらは「個室予約のお客様」の番外編になります。
本編は作者ページから読めますので、そちらをご覧になってから読んで下さいね。
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「なー?いつまで"神山さん"って呼ぶん?」
最近神山さんはこの言葉を会う度に言う。
実はお付き合いしてから直ぐに、敬語も呼び方も楽にしていいって言ってくれたんだけど中々慣れないのとちょっと恥ずかしくて。
『神山さん、私アイス買いに行ってきます。』
「はいはい、話を逸らさない。そこ座ってください。」
指差されたソファーに腰掛ける。
絶対に呼び方を変えるまでどこにも行かさないぞ!と言うような鋭い眼差しに背筋が伸びる。
『...じゃあ何とお呼びすれば良いんですか?』
「んー、智洋...とか?」
『無理です。』
「えぇ、即答(笑)一番シンプルやんか〜!」
『じゃあ"神ちゃんさん"とかは?』
「変やろ!そもそも苗字じゃなくて、名前で呼んでほしいねん」
分かってます。分かってますけど...。
『もう!分かりました!呼びます!呼びますからアイス買いに行かせてください!』
「お、言うたな?"神山さん"って言ったらペナルティやからな?」
俺チョコ、とオーダーを受けて家を出る。
神山さんのお仕事柄一緒に出かけたりは出来ないけれど、私はもともとインドア派なので何の問題もない。さらに言えば、家に居ても私は大学の課題、神山さんはゲームと会話のない空間になっても苦でない。
案外良い感じにやっていけています。
『ただいま』
「んーおかえり」
『アイス今食べます?』
「ん、持ってきて」
リビングに行くと案の定ゲームをやっている神山さん。
『溶ける前に食べてくださいね』
「んー」
ゲーム中に話しかけられるのを好ましく思っていないのを知っているからこれ以上は話しかけず、自分の部屋へ。
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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時