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甘くて甘い(赤) ページ15

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『今日の夕飯どうする?』

「んー」

『ねえ、買い物行きたいんだけど...』

「んー」

さっきからそればっかり。後ろにくっついて離れてくれない彼氏。

『ちょっと離れて、暑いよ』

そう言うと、顔を見なくても分かるくらい拗ねた声で

「何でなん。ええやんか...」

と私の背中に頭をぐりぐりしてくるから可愛くてすぐ折れてしまう。

『もう、しょうがないなあ』

そう言うと私が離れないことを察して嬉しそうに笑いながらお腹に回した腕を強くする。

「なあ、今週末さ、久々に出かけへん?」

『珍しいね、どこか行きたいところあるの?』

「んや、ない」
何それ、と笑うとただ私とどこかに出かけたいだけなんて。

『ずるいよ、そんなの...』

「何がぁ?何も狡ないよ?」

狡いよ、私ばっかりキュンキュンしちゃう。

『大ちゃんもキュンキュンしてよ』

心の中で思ったはずの言葉が口に出ていたようで、はっとするけどもう遅い。

「可愛すぎ笑」

『ちょ、何!やだ!』

ふわっと浮いた身体はそのまま寝室へ運ばれる。

「暴れると落とすで笑」

『お姫様抱っこなんて、そんな...っ』

「恥ずかしい?」

恥ずかしいに決まってるじゃん。筋肉質な腕と厚い胸板、それにこの角度から見る大ちゃんの顔がかっこいいんだもん。

「ちょっとだけ、シてもええ?」

『駄目って言ってもするくせに』

「んはは、正解」

優しく降ろされた身体はそのまま大ちゃんの腕に捕まり、唇が重なる。
離れた唇に名残惜しさを感じて見上げると、さっきの甘えたモードの声とは違い低めの声で

「俺もめっちゃキュンキュンしてんで」

の言葉にまたキュンとしたのはきっとバレている。


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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時

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