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『ともちゃん、私のこと、もう嫌い?』
「え?」
『嫌いになった?もう友達じゃない?』
「ちょっと待って。なんでそんなこと聞くん?」
『....だってともちゃん会ってくれないから』
そういうとはぁ、とため息をつかれる。
ほら、やっぱり。
「嫌いになったのはAじゃないの?」
『え?何言ってんの!ともちゃんのこと嫌いになるわけないでしょ!もう!』
とちょっと怒ると、眉毛を下げて、でもちょっと嬉しそうに、良かったと呟く。
「私も一緒だよ。Aがだいすき」
『ほんと?』
「ほんと」
嬉しくて、隣に座るともちゃんに以前みたいにギューッと抱きつく。
でも、前みたいに”あーつーいー!”って声は待っても待っても聞こえなくて
代わりに背中に手が回ってポンポンとされる。
『ともちゃんだーともー』
「なんやねん笑」
『会いたかった...』
「ふふ、私も」
「ってか、気にならんの?そのー...性別のこと、とか」
『ん?聞いた方がよかった?』
「え?いや...」
『いいよ、ともちゃんが言いたくなったらで。今日の目的はともちゃんと仲直りすることだもん』
「そっか」
この日から確実に私たちの仲は縮まった。
抱きついても手を繋いでもともちゃんは怒らないし、私はともちゃんにベタベタ出来て嬉しくて。
その後ともちゃんはお姉さんと妹さんを紹介してくれた。
何度もお家に遊びに行くようにもなった。
そんなある日、待ち合わせでともちゃんのマンションの下に居ると後ろから肩をぽんぽんと叩かれる。
『ともちゃ!....ん?』
「お待たせ、行こか」
『えっ、え?』
そこに居たのはいつもみたいな可愛い女の子のともちゃん、ではなく、スキニーにライダースでシンプルな中性的な...男の子。
「姉ちゃんがくれたから着てみようかなって」
ど?と言うけどなんか上手く頭が回らなくて
『....かっこいい、と思い、ます』
「ふは、照れるな」
ちょっと待って、ともちゃんのお姉さん助けて!
心臓が煩いです!
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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時