追う獅子から逃げる乙女(青) (ページ6)

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ep.6 ページ6

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『おはよう』

「おはよう！A今日の小テストどう？」

『んーまあ昨日勉強したし、頑張ればそこそこ行くと思うで』

「嘘やん～私ほんまにやばいねんけど！」

『でそうな公式だけ教えようか？それ暗記すれば半分はとれるやろ』

「まじで！？お願いします！」

物理は入試で使う人と使わない人がおるから優先順位下げがちやけど、公式さえ覚えればいい線行くから私的には良い成績を取りたい科目の1つ。

ルーズリーフに公式を書いて渡すとめちゃくちゃ喜んでくれた。
これで赤点免れるとええね。

藤「優しいんやね」

『うわ！びっくりした...』

真後ろにはあの、藤井流星が。

藤「おはよう」

『う、うん。おはよう...ってなんで1組におるん？
藤井くん7組やろ？』

藤「知っててくれてるんや。嬉しいな」

『だって神ちゃんと同じクラスやん』

ってそこじゃなくて。
いつの間にか隣に座ってるし。
まあ佐藤君と藤井君友達やしいいか。

藤「あーそっか。
...せや、連絡先交換しようや」

『は？なんで？』

藤「なんでって...神田さんともっと仲良くなりたいし」

えぇ...と渋る気持ちもあるけど、まあいっか。
こんなイケメンと話す機会なんてそうそうないやろうし。

『ええよ。佐藤君から貰って』

藤「なんでや。直接欲しいねんけど」

『え、今は無理やで？携帯ロッカーやもん。電源切ってるし』

教室に携帯は持ち込み禁止。
テストがある日は電源を切ってロッカーの中がルールやし。

藤「...そうやった。俺神田さんのそういうところも好きなんやった。」

『え？今さらっと変なこと言わんかった？』

「あー流星何してん。どーいーてー」

藤「おー佐藤おはよう。俺に神田さんの連絡先送っておいてや。

じゃ、神田さんまたな」

ふりふりと手を振って颯爽と消えていった。

「珍しいな、流星がこの時間にもう来てるの」

...授業中寝る上に遅刻魔なん？
やっぱり無理や...

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