追う獅子から逃げる乙女(青) (ページ12)

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ep.12 ページ12

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『ここは絶対出るから覚えておいた方がええで。
....これで範囲は終わりです。何か個別にもう一回聞きたいこととかあったら言うてな』

「ほんまにありがとう！めちゃくちゃわかりやすかった！」

「Aおらんかったら私徹夜コースやったわ！」

と約1時間小テストに出そうなポイントを確認、授業でやった問題の復習を皆でやった。
お互いにお互いを教え合ってくれたので私が教えたというよりは、皆で助け合った感じ。

『ううん。私も勉強になったし』

「俺神田さんってもっと怖い人やと思ってた」

「俺も」

「何言ってんねん！Aは皆の姉貴やで？なあ？」

『姉貴って笑』

「また良かったら教えてな？」

「小テスト頑張るわ！」

と皆が帰っていくのを見送り、先生に鍵を返して私は一度教室へ。
荷物を置きっぱなしにしていたので取りに行くと、そこには藤井くんが。

『あれ？なんで1組におるん？』

藤「神田さん、俺傷ついたで」

『え？』

私の席に座りこっちを見つめる藤井くん。
確かに少し悲しそう。

藤「優馬の方がすき？優馬の方がタイプなん？」

『ちょ、ちょっと待ってどういうこと？』

なんで優馬くんが出てくるん？と聞くと、それっと言われる。

藤「なんで優馬くんって呼んでんねん。俺は藤井くんなのに」

『え、そんなこと？』

藤「そんなことやないで。大問題や」

なんだ、拗ねてるだけかっと荷物を取りに近づくと

『藤井くん、バック返して』

藤「いやや。」

私のバックを抱えてそっぽを向く藤井くん。

『そんなに拗ねるなら下の名前で呼んでって言えばいいやん？』

藤「そんなん...ちょっとハズいやん」

いや知らんわ！と心の中で突っ込むけど拉致が空かないので

『流星くん、バック返して下さい』

と超棒読みで言うと、
ぱあっと明るい顔をして

藤「はいどうぞ、Aちゃん！」

ああ、この人単純や。となんとなく扱いが分かってきてしまった自分がいた。

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