Story 40 ページ42
羽田国際空港。
サングラスにキャリーケースといった、いかにも「海外から帰って来た日本人」という風情を漂わせている女が1人。
実際、彼女は海外から来ているのだが。
「……久しぶりだなぁ」
女はロビーから見える日本の空に目を細めた。
彼女の帰国に相応しい日本晴れだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その頃。
緑川の新しい家(工藤邸近くのアパート。3LDK)にいつもの4人が集結していた。
「それにしても……Aがいねぇとこんなに静かになるもんなのか」
松田がポツリと呟いた。
「連絡は取れてるけどな。もう大学も卒業したらしいぞ?赤井から祝福のメールが来たって喜んでた」
「赤井ィィィィ!?」
「降谷……お前、赤井の名前に過敏に反応するの止めろよ」
緑川の言葉に降谷は目を剥き、そんな彼にに呆れたように伊達が声をかけた。
萩原が生気を吸い取られたような顔をする。
「俺はAちゃんの禁断症状が……」
「2年会わないくらいでそれ?早すぎじゃない?」
不意に後ろから聞こえた凛とした声。
冷めた口調、ふわりと香る控えめな花の香り。
「「「「「……A!?」」」」」
「あい。AA、無事帰還いたしました」
Aはふざけて敬礼のポーズをとる。途端に萩原がAに抱き着いた。
「Aちゃぁぁぁぁぁん!」
「うぉっ」
「何で会いに来てくれなかったんだよぉ……お兄さん寂しかったぞ!」
「ハイハイ……。毎日電話もL○NEもしてたでしょ?」
「あーやっぱりAちゃんの匂い落ち着く〜」
「命の危機を感じたから帰っていい?」
「ひどい!」
「嘘だよ。はいコレ、お土産」
「留学から帰って来てお土産かよ」
「陣平兄黙って」
Aは手際よく手に持っていた紙袋から箱を5人分出して、その場にいた5人に渡し始めた。
「コレは航兄。彼女さんと食べてね」
「お、サンキュー!」
「こっちは陽彩兄」
「悪いな」
「で……。この2つは研二兄と陣平兄の分だけど……離れないならあげないよ?研二兄」
Aは箱を2つ、松田と萩原から遠ざける。途端に萩原はサッとどいて、「ください」と両手を差し出していた。
その様子に苦笑したAは「はいどーぞ」と少しふざけて萩原に渡した。
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おーにし(プロフ) - 零大好き(*´ー`*)さん» ありがとうございます!降谷さんをカッコよく書けるよう精進してまいります(^^) (2018年4月21日 19時) (レス) id: 1c4bcc000c (このIDを非表示/違反報告)
零大好き(*´ー`*) - めっちゃ面白いです。降谷零が好きなのでいいですね! (2018年4月20日 21時) (レス) id: 99bad809e9 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» いえいえ、こちらこそすいません。m(_ _)m (2017年10月5日 8時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 零音さん» そうなんですよ。ご心配おかけしてすいませんでした (2017年10月5日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» はい、そうです。結構似ていたので、偶然似てしまっていたんですね。 (2017年10月5日 1時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし x他1人 | 作成日時:2017年5月14日 0時