宇宙にて��（クイル） ページ6
「ったく、ロケットのやつ…たまに誰が船長かわからなくなるっつーの」
俺たちはロケットを船に残し買い出しを終えると、なかなか栄えた星だったので、しばらく滞在することにした。
その晩、俺は一人で流行りのバーを訪れた。
これはもうたぶん俺の直せない癖なんだけれど、ピンク色の肌の可愛い女がいたからとりあえず声をかけた。
別にどうこうしようと思ったわけじゃない。ただ楽しく喋りたい、って思っただけだ。
その彼女は俺の冒険譚を目をキラキラさせて聞いてくれた。だから俺も結構調子に乗ってしまった。
そうやってボックス席で二人で盛り上がっていた時、彼女から通信が入った。
『ピーター、今なら話せるよ、あのね…』
「あー、ごめん、今はタイミング悪いかな、仕事中なんだ」
『え…』
「また、かけるから」
これも直せないんだけど、咄嗟に嘘をついてしまった。
でも一瞬、彼女が動揺したのがわかった。
…俺は、身震いした。
彼女、どう思ったかな？
まさか、俺が女といると思って、嫉妬したかな？
俺の腹の奥の方に巣くっている、ちょっとだけ黒い部分が顔を覗かせる。
背中がぞくりと粟立った。
これ…ひょっとして…たまらないかも…
「どうしたの？ピーター？」
お喋りしてた女がしなだれかかってくる。
「え、ううん、なんでもないよ」
俺は女の肩を抱き寄せた。
ほら、やっぱり俺はモテるし、女にだって困らない。
「ねぇ、あとでうちに来ない？」
ピンク色の彼女が、目をくりくりさせて顔を見上げてきた。
一瞬だけ、彼女の顔が脳内をよぎる。
でも。
「…いいよ」
俺はそう答えてしまった。
あぁ、ホントにあの時、あんなことはやめるべきだったんだ。
俺はこの時、どれだけ自分が彼女に本気なのか、まったく気づいていなかった。
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shizuha(プロフ) - くいるさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(T＿T) (2019年8月22日 10時) (
レス) id: 857b6b7d06 (このIDを非表示/違反報告)
くいる - とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました (2019年8月12日 22時) (レス) id: b86fe8ef94 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - クィル好きなんですよ！でも、クィルの話がなかなか無くて苦笑。 (2019年6月19日 18時) (レス) id: 4bc136adeb (このIDを非表示/違反報告)
shizuha(プロフ) - マカロニさん» コメント嬉しいです！クイル好きですか！？励みになります！ありがとうございます^ - ^ (2019年6月19日 18時) (レス) id: 857b6b7d06 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - 更新頑張ってください！めっちゃ応援してます！更新楽しみに待ってます！ (2019年6月19日 18時) (レス) id: 4bc136adeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizuha | 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/hitohirahuwari
作成日時：2019年6月19日 9時
