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―――逃げている途中、ピッコーン！と突如良いアイデアが浮かんだお嬢様は、直ぐ様行き先変更。
辿り着いた先の扉をノックし、返答が無いことを確認すると、罪悪感を母親の胎内に置いてきたお嬢様は躊躇いなくその部屋に体を滑り込ませた。
彼女が侵入した部屋は、執事の一人である河村拓哉に分け与えられた一室であった。
お嬢様の思考回路はこうだ。
確か少し前、伊沢は河村にこっぴどく叱られていたわ。
つまり今伊沢は河村と顔を合わせにくいはず。
……なら河村の部屋に逃げ込んでしまえば良いわ！
まぁなんて単純な思考回路だこと。
「にっしっしっ、これなら伊沢も諦める筈だわ」
お嬢様は昔から一つのことに集中すると周りが見えなくなる性格。
故に、今も扉の隙間から廊下を覗くことに必死で、背後から近づく気配に気づかなかった。
「―――いけませんね、お嬢様」
「ぎゃっ？！」
なんとも可愛いげのない悲鳴。
お嬢様は直ぐ様顔を上げ、薄暗い部屋に浮かぶ二つの光を見つめ返した。
「な、なによ、河村……ちょっと部屋を借りただけじゃない」
「その事ではないんですか……まぁ、今回はそういうことにしておきましょう」
頭上に特大のはてなを浮かべるお嬢様に、壁に手をついていた河村はそっと肩を竦める。
年頃の女性が男の部屋に一人で来ることを彼は咎めたのだが、どうやら鈍感なお嬢様は気づかなかったようだ。
―――その後のことは、河村が「お嬢様なら今僕の部屋に居る」とお嬢様の居所をチクり、迎えに来た伊沢に今度こそ連行されたことにより収拾がついた。
今頃のお嬢様は、そうだな。
執事の志賀によるデザインのお稽古に、伊沢監視の元励んでいるんじゃないだろうか。
．
この屋敷には
今回紹介した七人の執事の他にも
数名の執事がせっせと働いている
これはそんな
彼らと一人のお嬢様の物語
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白菜(プロフ) - あるてぃめっとさん» コメントありがとうございます！この作品のcssは自作ですね。フォントは『ほのか丸ゴシック』を使用させて頂いてます。参考にしていただければ幸いです！ (2021年3月30日 17時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
あるてぃめっと - こちらの作品でははじめまして（といっても覚えてないと思いますが…）今回も素敵な文章をありがとうございます。それともう1つ素敵なcssだなと思い…自作でしょうか？紹介がないので…もしよろしければ、使っているフォントを教えていただけないでしょうか？ (2021年3月30日 16時) (レス) id: 037db07d8a (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - Rukaさん» 私も書きながら「この関係性が尊いと思える感じにしたい」と思ってるので、そう言っていただけると嬉しいです！お嬢があんな子だからきっとこんな関係性が出来たんでしょうね。これからも彼らをほほえましい気持ちで見ていただけたら嬉しいです(笑) (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - SALTさん» コメントありがとうございます！普段は文章詰め詰め野郎なので、今回の話は確かに読みやすいかもしれません(笑)応援ありがとうございます！ほんとにマイペースですが、これからもちょこちょこ更新していけれたらなと思います！ (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - なんというか、お互い憎まれ口を叩きながらもお互いに好いているような関係が本当に好きです。お嬢はいつもこんなに暖かい空間にいるんだと思うと、なんだか微笑ましくなってしまいました笑 (2021年3月29日 16時) (レス) id: 323f90024b (このIDを非表示/違反報告)
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