早朝の罰/源輝 ページ2
午前七時十五分。
平日のこの時間の学校は不気味なほど静かだ。
Aは自分だけしかいない廊下を歩き、二年生の教室を目指す。
からり、と教室の扉を開けて周りを見回すと先に来ている人は誰もいないようだった。
ほっと胸を撫で下ろして、小さくガッツポーズをする。
Aは自分の席に鞄を置くと、すぐさま旧校舎の女子トイレに直行することにした。
花子くんに会うために。
はやる気持ちをおさえて、急ぎ足で教室を出ようとしたその時。
誰かと衝突してしまった。
『いたた...ご、ごめんな、さ...い』
「おはよう。来たばかりなのに何処に行くのかな？」
見つかってしまった、源輝に。
最近は朝いなかったから大丈夫だと思ったのに。
さぁっとAの全身の血の気が引く。
『おはよう...ちょっと、校内散策しようかなーなんて...はは...』
「へえ、楽しそうだね」
そっと輝の顔を盗み見ると明らかに目が笑っていない。
輝はAに顔を近づけて、そっと耳打ちした。
「...七番に会いに行く気でしょ」
図星だったのと耳元で囁かれたのでびくりと肩がはねる。
Aは生まれつき怪異が見える体質で、しかもあえて怪異に関わろうとする。
だからこうして輝に目をつけられているのだ。
「この前も言ったのに。ホント君は学習しないよね」
爽やかに笑いながら毒を吐かれる。
『...怪異より輝の方が怖い』
むっとしてぽそりと言い返した。
瞬間、左手を引っ張られて顔の横の壁に押し付けられる。
「怪異のところに行けないようにしてあげようか」
『ひえ...え、何コレ』
違和感を感じて自分の左手を見るとAの手首には輝の右手首と一緒に怪異を捕縛するための数珠が巻かれていた。
とんでもない早業である。
「今日までは許してあげようと思ったけど...やっぱりやめた」
「オシオキが必要だもんね？」
くすくすと笑いながら言う輝は心底楽しそうだ。
輝の、オシオキと称した蒼井茜への酷い扱いを知っているAの顔はどんどん青ざめていく。
逃げようとしたけれど、輝が手を引き寄せるだけでいとも簡単に捕まえられてしまった。
『やだぁぁぁ......もうしません...』
「だーめ。さて、何がいいかな？」
その日の輝は上機嫌でいつもの10倍、生徒会の仕事が早く進んだとか。
Aが、オシオキと称して輝にくすぐられまくったことは誰も知らない。
酔った怪異にはご注意��/花子くん→←はじめての味は/つかさ
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若葉 - かんわゆい (2020年3月9日 18時) (
レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
花っち - 光くん好き。 (2019年10月11日 17時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - まるさん» いえいえー！お気遣いありがとうございます。頑張りますね！ (2019年4月8日 13時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 本当ですか！？とっ…ても楽しみです！気長にまってますので、はのさんの無理のない範囲で執筆して頂けたら嬉しいです…！よろしくお願いします〜！ (2019年4月6日 20時) (レス) id: cb47adc666 (このIDを非表示/違反報告)
はの(プロフ) - まるさん» コメントとリクエストありがとうございます。そう言って貰えるととっても嬉しいです！了解しました。タイトルの方にまるさんのお名前を書かせていただきます。予めご了承ください。 (2019年4月5日 7時) (レス) id: f5fc6d41da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はの | 作成日時：2019年3月22日 23時
