恒道館メンバーは、門下生に一人やべー奴がいることを知っている 一 ページ20
「九兵衛よ。お前には正直失望したぞ」
屋敷の一室で、九兵衛は父の
輿矩は顔は渋くて威厳はあるものの、体格が異様に小さく三頭身ほどである
「三年前お前が武者修行の旅に出たのは剣の道を極め、この柳生
なのに、と輿矩は険のある表情を浮かべる
「突然帰ってきたと思えば、あのような娘を勝手に連れ込み嫁にしたい?三年間なにをやっていたお前は。嫁探しか?……Aちゃんならパパもちょっとは許したかもしれんが」
「……失礼ですが、下心が隠せていませんよ父上」
「黙れ!お前に父上などと呼ばれたくはない」
輿矩はガタッと立ち上がった
「パパと呼べと言ったであろうがァァ!!もしくはダディでも可!!」
指をさしていう輿矩の片腕にはペルシャ猫が抱かれている
「我が柳生家は将軍家に代々お仕えしてきた由緒正しき生粋のセレブ」
柳生の剣とセレブの血を絶やさず世に残して行くのが柳生家の使命なのだと彼は語った。
輿矩は猫アレルギーだがペルシャ猫はセレブっぽいからと我慢しているらしい。
「お妙ちゃんは確かにカワイイ。だがただの町道場の娘と柳生家の跡取り、釣り合いが取れるわけあるまい。比べるわけではないがAは同じように可愛く、そして柳生を指南できるほどの剣の腕を持ち幕府に仕える身。お前もあの子のことを少なからず好いているのだろう。だったら」
「父上」
九兵衛は言葉を重ねて声を上げる
彼は眉を寄せていて少し不愉快そうにしていた
「僕はAを『友として』慕っていますが、慕う理由は彼女の強さや肩書きよりも……あの人の性根に惹かれているんです。だから、Aを家系のために利用する思考は辞めていただきたい」
「お前……」
九兵衛は冷静に話しているつもりだったが、その声には明らかに怒気が乗っている
輿矩は少し驚いて目を見開いた
ガラガラと荷台を引く音がして、開け放たれた襖の先の庭で敏木斎の姿が見えた。
「あ、パパ上様お帰りですか。パパ上様もなんとか言ってやってください。こいつは武士道ばかりでセレブ道というものが全くわかって……」
輿矩は庭の方に向かうが、敏木斎の押す荷台にゴミのようなガラクタが大量に積んであるのを見て言葉を失った
恒道館メンバーは、門下生に一人やべー奴がいることを知っている 二→←姉離れも妹離れもしてやるものか 七 終
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時