姉離れも妹離れもしてやるものか 四 ページ16
「別れの時だ。君がそんなことでは妙ちゃんも心配で家を出られんだろう」
「!!アンタ……九兵衛さん。柳生九兵衛さんか」
新八は相手の正体がわかると驚いて言った。
「いきなり現れて何言ってんだ!!家を出るっていったいどういう……」
「君は知らんのかもしれんが、僕と妙ちゃんは幼い頃夫婦になる誓いを共に立てた許嫁だ。今日を持って彼女は柳生家に来てもらう」
「はあ!?なに言ってんだ!幼い頃誓ったってそんな子供の頃の約束……ねェ!?姉上」
新八は納得できずにお妙に話を振った。
しかしお妙は、うつむいて何も反論しない。
「姉上!」
「……新ちゃん、ごめんなさい。たとえ九ちゃんの想いの先が揺れていても、あの時のことは私に責があるから……」
「あの時のことって……姉上!」
お妙は立ち上がり、九兵衛の元へと歩いていく。
「姉上! 姉上ェェ!!」
新八は名を呼んで必死に止めようとするが、大きな音がして横の襖から何かが突っ込んできた。
土煙と共に部屋の中に、近藤と銀時、神楽、戦が流れ込んでくる。
襖の先にはバブルス皇女が迫ってきている。
「いでででで!!」
「オイぃぃ!ゴリラ!あれなんとかしろよ!お前のペットだろ!!」
「違う!!実はアレ皇女!!」
銀時が痛そうにしてる上で、戦が近藤に責任を押し付ける。
近藤は焦った様子で返すが、目の前にお妙がいるのに気づいた。
「ってアレ!?お妙さん?」
「なんかこれマズイ状況で入ってきてない?」
「アネゴ!こんなトコで何やってるアルか!?」
銀時が不思議そうにし、神楽がお妙に尋ねる。
お妙は静かに口を開き、
「……みんな。さようなら」
目に涙を溜めて別れを口にした。
『!』
全員が彼女の表情に驚く。
銀時が「オイ」と声をかけるが、襖の先にいたバブルス皇女が部屋を破壊しながら中に入ってくる。
「げェェェ!!皇女来た!!」
部屋が騒がしくなる中、九兵衛はお妙を抱き抱えて立ち去った。
「姉上ェェェ!!」
新八の叫び声は、皇女の破壊音でかき消されていった。
――
真選組屯所、縁側で土方は亀裂の入った刀を見てため息をついた
「おニューだったのに」
「土方さんこれで喧嘩負けんなァ二回目ですか?……あ、いやAさんに出会った時も負けてるから三回目か?」
奥の部屋で机に肘をつき煎餅をかじっている沖田が、テレビを見ながら後ろにいる土方に言った。
沖田は池田屋でAに初めて会った時を思い出す。
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時