姉離れも妹離れもしてやるものか 三 ページ15
近藤は見合い相手のゴリラことバブルス皇女と話が盛り上がらず、というか通じているのか分からず苦肉の策で二人で庭を散歩し始めた。
が、屋根の上から瓦が降ってきて皇女に当たり、銀時と神楽と戦が表れてぎゃーぎゃー騒がしくなる
そんなカオスな状況と時を同じくして、少し離れた部屋でお妙は九兵衛に後ろから抱きつかれていた。
「僕は約束通り強くなって帰ってきた。今度は、妙ちゃんが約束を果たす番だ」
九兵衛はお妙に口づけをしようとした。
――が
「ダメよ、九ちゃん。あなたの心の中にもう一人いる、その人を無視しちゃ」
「!」
お妙は九兵衛の口を手で押さえてキスを防ぎつつ、見透かすような眼差しで彼を見つめた。
九兵衛は驚いて目を見開く。
「ッ……違う。僕はッ」
「私には九ちゃんの気持ちが分かるのよ。だって……私だって、あの人のことが大事だから」
二人とも思い描くのは一人の女性、Aだった。
お妙は自分の中にあるAへのその気持ちを、恋情であると確信はないものの大事に包んでいた。
「昔の想いの方を大事にしたいと思っていても……今の気持ちを
「妙ちゃん……」
二人はただ、真面目な話をしていただけだった。
しかしキスしかける体勢のままだったのが、状況を悪化させる原因となった。
依頼料を貰って縁側を歩いていた新八は、たまたまそれを見てしまった
彼の目線から確実に口づけをしているように見えてしまって
信じられない光景に新八の目が死んだ状態になる。
人の気配を感じてお妙と九兵衛がそちらを見れば新八がいて、お妙は目を見開いた。
「し、新ちゃん……ち、違うの!!これは」
「何やっちゃってんのォォ!!お前らァァァ!!」
新八は勢いよく突進し、机を押し除けて九兵衛に掴み掛かった。
「貴様ァ!嫁入り前の姉上に何してんだァァ!!」
「新ちゃん!」
「新八君か。相も変わらず姉離れができていないらしい……まったく戦と同じじゃないか。いや、27歳の大人なはずの彼の方が君より重症か」
「!えっ、アンタあの人と知り合いなのか」
新八は戦の名前が出てきて驚いた顔をする
「まあ、彼は妹に執着していてもそれなりに強いけど……君はいい加減、強くなったらどうだ」
九兵衛は新八に足掛けして体を上げさせ、背負い投げした。
「新ちゃん!!」
新八が投げ飛ばされ大きな物音がしてお妙は焦って彼の元まで駆け寄った。
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時