やっぱりヒロインはゴリラに限る 八 ページ10
爆音がしてえいりあんの動きが鈍くなる。
「とっつぁぁぁん!!射撃止めろォォ!!もう撃つ必要はねェ!」
「うるせーな。どうせもう今さら中止できねーんだろ」
近藤が慌てて船を見上げて言うが、松平は止められないから無理と言っていて。
「早く逃げろォ!おっさん知らないからな!たぶんAちゃんが何とかしてくれるよね!」
松平は銀時たちのいる核に向かって声を張った。
それを聞いたAは額に青筋を浮かべる。
「松平ァァ!!普段の鬱憤いまここで晴らしてやるからこっち来いやァァ!」
「ちょっとォAちゃん!?そんなキャラじゃないでしょ君ィ!」
キレて小刀を振り回すAを銀時が慌てて取り押さえて宥める。
「逃げろったってどこに逃げろっての!?」
「下は無理だ!上だ上!!」
ハタ皇子は困惑していて、銀時はAを抱いて一緒に えいりあんの触手に掴まる。
そのそばで新八はメガネを落として探していた。
「Aに触んなァァァ!!!」
「ぐぉふ!!」
神楽が銀時に勢いよく飛び蹴りを喰らわせる。
別に銀時は下心があってAを抱き寄せていたわけではないが、神楽はまだ意識が定まっていず乱心していた。
うがー!と叫びながら銀時の上に乗り殴る。
えいりあんにやられた腹部の傷がまだ治っていないため神楽は再び出血していた。
「神楽ァ!ダメだって!出血が!いだだだ」
星海坊主は慌てて神楽を抑えるが体を引っ張られる。
「ちょっ、神楽ちゃん!」
見かねてAも神楽を抑えにいく。
星海坊主は神楽に攻撃されながら、殴られて気絶している銀時を見た。
(こんな状態で核をぶち破ってきたのか。この男の声が、この女の存在が……神楽の意識の底にまで届いたってのか)
「あー酢昆布だ」
「?」
神楽は、ふと星海坊主を見て言い、彼の頭の毛を塊ごとブチッと引きちぎった。
後ろで、じいと新八とAが絶句する。
「ぎゃあああ!!お父さんの大事な昆布がァァァ!!」
頭を抱えて叫ぶ星海坊主の横で神楽はモシャモシャと髪の毛を食っていた。
「何食ってんだ!出せェェ、そんなもん食ってたらハゲるぞ!」
「ハゲるか!お前ほんと後で殺すからな!」
星海坊主はツッコミながら銀時にキレていた。
何かの轟音が聞こえて銀時は不思議そうにする。
「アレ?なんだこの音」
「あれ?」
全員が前方を向けば、きつく光が広がって
核に砲撃がぶち当たり
ドォンと強烈な爆発音が響いた
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時