思いは時に呪いとなる 三 ページ45
「とにかくその まじないの
「残ってるよ」
『え？』
Aの返しに阿音と百音は驚く。
呪法の印は普通、相当強い験力を込めない限り薄れていくものらしい。
「アンタそれかなりヤバい奴じゃ……ま、まァ良いわ。とりあえずその印を見せてちょうだい」
「あ、えっと……」
Aは困ったように視線を泳がす。
「どうしたの？」
「そ、その……印があるの、ここなんだよね」
そう言ってAは、顔を赤くして自分の谷間の少し下を指した。
ブフォッ！！と銀時たち男性陣三人が咳き込んだ。
「な……なるほど。それは確かにためらうわね。なら私たちだけで確認するわ。A、良い？」
「あ……うん」
Aは顔を赤くして頷いた。
「じゃあ印だけが見えるようにズラしてくれれば良いから。やるわよ」
「……」と静かな時間が流れる。
阿音は動かない男性陣をキッと睨んだ。
「テメーらは早く出て行けェェ！！」
銀時たち三人は阿音に足蹴りされて部屋を追い出された。
部屋にいるのはAと神楽、姉妹の女性陣だけになり、Aは少し恥ずかしそうにしながら服を上だけ脱いだ。
Aの胸の谷間より少し下あたりに、黒い細線で六芒星が刻まれていた
「おー！Aかっけーアルな！！」
「な、なんか中二病みたいで恥ずかしい……」
神楽は六芒星をまじまじと見て興奮していた。
なんか格好良さを感じて羨ましそうにする。
対する本人は体にコレがあると中二病に見えるのか恥ずかしそうにしていた。
阿音と百音は六芒星を見て目を見開いた。
「百音、コレ……」
「ええ……」
二人は、はっきり言葉にはせずとも同じことを考えていた。
「
「なんだそれ」
Aが服を戻して、男性陣を呼び戻す。
新八と銀時が、阿音から聴いた言葉を不思議そうにオウム返しした。
「言葉の通り自分自身に呪縛、呪いをかけるものよ。といっても、Aの場合は結果的に呪いになってしまったっていう感じだけど」
「どういうこと……？」
Aが首を傾げて問う。
「まじないを込める時に、動機となる願いや思いが強すぎると歪んだ思いが自分自身への呪いになるのよ」
「成し遂げたい目標があったとして『失敗したら自分を恨んでやるからな』的な思いを抱いているとそれが自分への呪縛としてかけられてしまうんです」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2022年10月2日 5時
