愛犬の散歩は適度なスピードで 四 ページ36
「責任は全て定春を俺たちの所に捨てたこの女達にある」
銀時は横をバイクで並走する阿音と百音を見る。
「なーに言っちゃってんのアンタら!」
「生みの親より育ての親ですわ!あれはアナタ達の教育の賜物です!」
巫女姉妹は銀時と言い合いをしつつ、定春と龍穴の話をした。
地球の大地には龍脈と呼ばれる、星のエネルギーである大地の気の流れが存在する。
その龍脈が大地の上に噴出する地点を「龍穴」と言う。
「江戸にも龍穴がいくつか存在します。そのうち最大の龍穴を『
その黄龍門を守護する神の使い、神子と呼ばれていたのが狛神だった。
阿音百音の姉妹は、一族で昔からその黄龍門を守ってきた神殿の巫女である。
しかし天人が神殿から彼女たちを追い出し、黄龍門に巨大なターミナルを立ててしまった。
「いったい今の定春の身に何が起こっているんですか?」
「狛神は力を解放しない限り犬と変わらない大人しい生き物です。でも一度力を解き放てば恐ろしい獣神に変わる」
定春は昔から力の制御が苦手だったらしく、今は完全に我を失っているらしい。
しかし狛神の力を解放させるには、供物と祈りを捧げる儀式が必要だった。
その儀式なく、定春は狛神になってしまっている。
「まあ私たちは供物を市販の牛乳と苺とかでやってたけど」
「……いちごと」
「……牛乳」
銀時と新八はそれを聞いてジト目になる。
「いちごと」
「牛乳」
二人は巨大化した定春を宥めていたときに、いちご牛乳を飲ませていたことを思い出した。
「いちご牛乳ぅぅ!! いちご牛乳あげるから!だから!お願いだから大人しくしてヨ!!」
神楽は大江戸ドームの上で定春の尻尾を掴んで何とか抑えていた。
「定春!良い子だから落ち着いて!」
Aは前で定春に攻撃され避けながら定春を前に行かないよう抑える。
ドームの前では花野アナが現場の中継をしていた。
その付近でさっきのバズーカの件があったからか、土方と沖田が刀を構えて喧嘩していた。
「ちなみにですね、本来ドームで行われるはずだった野球試合が中止となった場合は、あの巨大犬の飼い主が膨大な損害を負担す」
「冗談じゃねーぞ!!これ以上暴れられてたまるかァァ!」
「キャバクラで貯めたお金が!!ババに買ってもらった家がパーになるぅぅ!!」
花野アナの後ろから銀時たちのバイクが二台彼女を轢いてドームに向かった。
愛犬の散歩は適度なスピードで 五 終→←愛犬の散歩は適度なスピードで 三
116人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時