愛犬の散歩は適度なスピードで 二 ページ34
二人が言い合いをしていると、狛子がテレビに向かって吠えていた。
「狛子ちゃんうるさいですよ。餌ならさっき」
「ん?」
狛子はテレビを引っ掻いていた
画面には万事屋の屋根を突き抜けて立つ定春の姿が映っていた。
「アレ、ちょっと」
「ぎゃああああ!!」
定春が屋根から逃げ出し、街を駆け回る。
街の人たちは巨大な定春に逃げていた。
神楽は定春の尻尾にしがみついており、Aは定春の背中に伏せながらも何とか乗っていた。
「化け物じゃああ!!助けてくれェェ!!」
「定春ぅぅ!!止まるアル!伏せ!お手!だめアル!全然言うこと聞いてくれないヨ!」
「いったいどうしてこんな」
Aは掴まりながら小さく呟いた。
スナックお登勢の前には報道陣が大量に押しかけてきていた。
「すみませーん!!大江戸テレビの者ですが!!今回のことはいったいどう責任取られるつもりなんですか!?」
「うるせーなボケ、どけー」
銀時は群がるマスコミをうっとうしそうにしていた。
「退いてください!僕たちこんなことしてる場合じゃないんですよォ!くそっ、これじゃ埒があきませんよ銀さん!このままじゃ定春が!」
新八が焦っていると、どこかから歌声が聞こえてきた。
「ね〜んね〜ん、コローリよ。おコーローリーよ〜。マスコミ〜よい子だ〜ねんね〜しな〜」
「あれ、なんか急に眠気が……」
マスコミ達が目をこすり、突然みんな倒れて寝てしまった。
「!オイオイなんだこりゃ」
驚いている銀時の足元に狛子が駆け寄ってきた。
「うおっ!!なんだコイツ!?定春!?ちっちゃい定春だ!」
「まァ珍しい。狛子が私達とA以外の人に懐くなんて」
阿音と百音が、しめ縄とお札のついたバイクでやってきた。
「お初にお目見えするわね。私たち美人巫女姉妹、阿音&百音」
阿音がラ◯&ベリー的なノリで言い、後ろで百音がピーと縦笛を鳴らした。
「あなた達にあの巨大な犬を預かってもらっていた者でございます」
「狛神……間違いない。狛神じゃ」
天導衆たちの囲う地面に定春が映っていた。
「この星にも存在していたとは知らなんだ」
「アレは『穴』を護るために存在する。穴が存在するところに必ず狛神も存在する」
「フン。何を今さら……穴など当に塞がれておるというのに。哀れな奴よ」
「それにしてもあのままで大丈夫なのか」
「心配するな。アレがいれば問題なく収まるだろう」
定春の背中にいるAを見て言った。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時