星の暴走は止められない 三 終 ページ17
「でだ。アルタナは、力の根源の一部となって星人が力を使うごとに消費され、時間が経てばまた自然と体内で生成されていく」
それは放熱のようなものと同じく、使い過ぎるとアルタナが体内で漏れ出るという
「漏れ出たアルタナの量が多すぎると、そいつらは外に出ようとして、体内で熱を持って炸裂し始めるらしくてな。つまり……暴走なんかするとアルタナが体内を壊し始めて自爆するんだよ」
混乱する神楽を見て、星海坊主は分かりやすく絵を描いて説明する。
「星人は暴走と自爆を経験して、そこまでに至らないよう自らの体に安全装置的な機能を作る進化を成した。そいつのお陰で一定量以上のアルタナを使えなくして、暴走が起こらない体になったというわけだ」
「待ってよパピー。でも確かにAは暴走してたネ。私も銀ちゃんたちも皆目にしてるヨ」
「……そうだとするなら、おそらく星人であること以外の、他の原因があるだろうな」
星海坊主は顎に手を当てる
「他の原因？」
「例えば……まじないや願いの類とか」
「！」
Aはそれを聞いて反応した。
戦はまじないだのと言われて頭をかいた。
「おいおい。俺ァ、呪いやまじないとかそういうのあんま信じてないんだが」
「まあ、そういうモノを信じるも信じないも個人の自由だ。世の中、本当に効力があるモノとニセモノが混合しているしな」
だが、と星海坊主は続ける。
「強すぎる願いや思いは時に、本人の意思を超えて力を発揮するもんだ……嬢ちゃん。心当たりはあるか？」
「……」
Aは星海坊主に問われて、黙ってしまった。
しかし内にある答えは『はい』だった。
昔、彼女は短刀にまじないを掛けたことがある。
そしてその時に、他にもう一つあるものに願いを込めた。
「昔、神社で自分の武器にお守りとしておまじないをかけたことがあるんです。その時に私は……」
――自分にも
「なら、それが原因の一つかもな。一度その神社に行ってみろ。何かわかるかも知れねェ」
星海坊主は呟きながらあることを考えていた
(星人の内にあるアルタナは勝手に何にでも作用する。思いにも願いにも呪いにも)
(もしこいつの願いがアルタナによって勝手に効力をあげられているのだとしたら……)
(願いによっちゃ、こいつを殺さなきゃならねーかも知れねェな)
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作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2022年10月2日 5時
