神は鬼を殺さず暴徒を砂状へと化す 六 ページ8
Aは土方の刀を付近に落として土方に数歩ほど近づく。
しかし銀時と戦がそれぞれ真剣と木刀を構えて土方の前に立った。
Aは相変わらず目に正気はないものの、二人が間に入ってきて少し驚いたように口を開く。
「Aよォ、ちょ〜っと遊びすぎだぜ」
戦は妹に笑って言った。
その額には汗が浮かんでいる。
普段のAですら強すぎて、今いる人間で勝てる者はいないだろう。
それが暴走している状況となれば、生きて帰ることすら怪しいかもしれない。
銀時と戦は勝てる見込みなどないと分かっていながらも、土方を守るために彼女に刀を向けた。
だが昔に死神が現れた時は、銀時たちや攘夷志士に攻撃を仕掛けてくることはなかった。
もしかしたら暴走していたとしても味方は傷つけない可能性もある、と二人は思って。
しかし二人が胸中に抱いていた
銀時は目の前の『敵』を見て冷や汗を流す。
「おいおい。まさか今までのはたまたま標的になってなかっただけで、『コレ』は味方にも攻撃してくんのか?」
「さァな……もしそうなら、今日が命日だな」
Aが刀を振り上げて踏み込んだ。
それに合わせて銀時と戦も前に踏み込む。
しかし
「死ねェェェ!!」
『!!』
後ろから浪人が、銀時達ごとAを殺そうと何人も囲んで斬りかかってきた。
「まずい!」
土方は武器を持っていず、銀時と戦は既に前に足を踏み出していて、後方に転回し対応する前に斬られてしまうだろう。
しかし浪人が斬り込む前にAが片足で地面を強く踏みつけた。
大きな破壊音が鳴って地面が割れ、反動で地の破片がいくつも上に飛び上がる。
Aは刀を手の中で持ち替え、地の破片を全て柄で叩きつけ、包囲する浪人たち全員に打ち当てた。
「!!」
土方の顔の横スレスレを破片が猛スピードで飛び抜け、後ろの浪人の顔を破壊した。
その一撃で周りを囲っていた者達は即死し、地面に後ろ向きで倒れていく。
「お、おいおい……」
「まさか、最初からコイツらの動きに気づいてて刀を構えたのか……?」
顔を引きつらせる銀時の横で戦は妹を見た。
彼女は今の攻撃を終えて、刀を下ろしている。
つまり、今は攻撃意思がないということだろう。
先ほど自分たちに向かって刀を構えたのは、奇襲を予期していて守ろうとしたのではないかと、戦は考えていた。
神は鬼を殺さず暴徒を砂状へと化す 七→←神は鬼を殺さず暴徒を砂状へと化す 五 挿絵あり ※流血注意
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時