ヒトを護る為の力 一 ページ43
「えいりあん?しらねーな。お菓子屋みたいな名前しやがって。営利庵か?あん?」
ヤクザに扮した銀時が怪獣に扮した定春と劇場前で小芝居を打っていた。
どうやら映画の宣伝らしく、指示役の長谷川が手抜きな芝居にツッコんでいた。
「今日は呼び込みやってもあんまり効果ないんじゃないかな。銀ちゃん達こっちきて」
劇場からAが出てきて中に入るように促す。
「ほら、本物のえいりあんが大騒ぎしてるから」
劇場のエントランスにあるテレビから、ターミナルの騒ぎがニュースで流れていた。
「おいおい何だこりゃ」
「何か船におっきいえいりあんが取り憑いて事故を起こしたらしいよ」
『えー皆さん見えますでしょうか。謎の生物によって現在一隻の船がターミナルに衝突し機体の一部が壁面から突き出た状態です』
「いや〜恐いわァ〜」
テレビでニュースキャスターが緊迫した状況のなか伝えていく。
「真選組から招集がかかると思うから、私はそろそろ行くね」
Aは状況をニュースで把握し出発する準備を始める。
しかし、キャスターの声が一際大きくなってテレビに目を向けた。
『人影!間違いない、人です!人が! えっ……女の子!?』
「!!」
テレビに流れる映像を見て、銀時とAは目を見開いた。
『な、何ということでしょう!少女が、一人の少女が船の看板で謎の生物相手に戦っています!信じられません、人間なんでしょうか!?』
えいりあんに侵食された船の上で、神楽が番傘を片手に戦っているのが映し出される。
「お、おい。二人ともアレ……」
長谷川が銀時達に声をかけるが、銀時とAと定春は姿を消していた。
「――おい。おい、しっかりしろ坊主」
船の外、突っ込んだターミナル内で気絶していた新八を星海坊主が起こす。
「アレ、ここは……星海坊主さん?」
星海坊主は新八が目を覚ますと立ち上がって、新八は不思議そうに彼を見る。
「お前もさっさと逃げろ。じきここも飲まれる。死ぬぞ」
「坊主さんは?」
「坊主さんって何?ねェ、大の大人に向かって坊主さん?」
星海坊主は新八の呼び方にツッコみ、帽子とゴーグルを被る。
「神楽ちゃんの姿が見当たらねェ。アイツのことだ、他の連中を気遣って船に残ってるかもしれねェ」
船の方に行こうとした星海坊主を新八が止める。
「僕も行きます。神楽ちゃんは……ほっとけない」
「……邪魔だ帰れ」
星海坊主は一度振り返って新八を見るが拒否した。
ヒトを護る為の力 二→←慕ってくれる人の好意なんて当人には計り知れない 三 終
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時