優しい灯火でも強火すぎると恐怖を与える 三 ページ37
「お前たちは、いや、もしかしたら本人も知らないかもな。あの力と回復力を見るにAAは、かつて宇宙最強と呼ばれた星人族だ」
「……知ってるヨ」
「!」
神楽の言葉を聞いて星海坊主は驚く。
「私も銀ちゃんも新八も、A自身も、その星人っていう種族のことを知ってるヨ」
「知っていてお前らは何で」
星海坊主は星人と知ってなおもそばに居続ける神楽や銀時たちに驚いていた。
「大事な人だから」
神楽は簡潔に答えた。
「どんなに強くても、どんなに化け物みたいだとしても、私たちにとってAは大事な、もう一人の家族ネ。そばにいたいから、そばにいる。それだけのことアル」
「神楽、星人っていうのはそう甘いものじゃない」
少し間を開けて、星海坊主は静かに言葉を出した。
「神楽ちゃんは覚えてないだろうが、かつては俺たちの故郷の星にも星人がいた。そいつらはやはり環境のせいか、夜兎の力を色濃く取り込んでいてな。宇宙中にいる星人のなかでも群を抜いて強い方だったそうだ」
「星人は元来、どこの星に生まれる者でも温和な種族らしい。だが……俺たちの所の星人は俺たちの好戦心の悪影響を受けたのか、夜兎と同じ獣ばかりだった」
暴れ回る奴らを止めるのはかなり骨が折れたぞ、と星海坊主は思い出して頭をかいた。
「Aはそんなことにはならないネ」
「星人は周りの影響を強く受ける。確かに俺たちの星の奴らが獣になったのは夜兎の影響で、他の星人はそこまで猛獣にはならんかも知れん。だが獣にならないという確証はない。だから俺は――」
「星人を滅ぼした」
「!!」
神楽は星海坊主の言葉を聞いて驚き目を見開く。
「まさかパピーがAの種族を絶滅させたアルか」
「当時は星人を狙って争いが絶えなかったから絶滅の原因は多いだろうな。正確にいえば俺はその星人が絶滅するに至った要因の一つではあるはずだ」
「星人とも話をして始末する対象は見極めていた。俺が見逃したのは善良かつ理性的でいて……闘う力を蓄えてこなかった弱い者だ。獣性の強い者は始末していた」
「!……強くても、良い人はいたはずアル。そういう人たちはどうした」
神楽の表情が険しくなり、彼女は拳を握る。
「……そういう奴らは結局、俺たちや味方とすら対立してその力を闘うために使った。夜兎と星人の戦なんてものの終わりにあるのは、大量の死体と破壊された星だけだ。俺ァ優しく慕ってくれた星人とも拳を交えて何人も殺していった」
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時